スーダンで新首相就任 過激化阻止へ周辺国介入

2019/8/23 19:19
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【チュニス=飛田雅則】北アフリカのスーダンで将来の民政移管に向けて軍民の共同統治が始まった。21日には実務を担う首相に経済学者で国連出身のハムドク氏、共同統治にあたる合同評議会の議長にはブルハン陸軍中将が就任した。一方、首都ハルツームの裁判所では4月の軍事クーデターで失脚し、汚職などの罪に問われたバシル前大統領の公判が始まった。

スーダンで経済学者のハムドク氏が21日、首相に就任した=AP

軍と市民を仲介したのはアフリカ連合(AU)やエチオピアなど周辺の地域機構や有力国だ。スーダンの人口はイスラム教徒が多数派で、クーデター後の不安定な状態が続くと「イスラム国」(IS)など過激派組織の拠点が広がるおそれがあると判断した。ハルツームで17日にあった軍民共同統治の合意式典にはサウジアラビアやエジプトの代表団も出席した。

ハムドク氏は記者団に「紛争を終わらせ、持続的な平和を実現し、バランスのとれた外交を優先させる」と語った。1週間以内に組閣する予定だ。疲弊した経済の再建などの課題に対応する。

合同評議会も21日に発足した。内閣や議会を監視する。民間から6人、軍人5人で構成する。これから3年3カ月の移行期間を経て選挙を実施し、民政に移行する。合同評議会トップの議長に初代として就いたブルハン氏は軍人出身のバシル前大統領を退陣させた4月の軍事クーデターを主導した。議長はまず1年9カ月、軍人が就き、その後は民間人が引き継ぐ。

スーダンでは深刻な物価高や燃料など物資不足に抗議するデモが2018年12月から各地で始まった。バシル政権の維持が困難になったと判断した軍はクーデターを起こし、暫定政権を発足させた。だが、多くの市民が軍政を拒み、衝突で多数の死傷者が出ていた。

ハルツームの裁判所では19日、バシル被告の公判が始まった。捜査当局は同被告が9千万ドル(約96億円)の現金をサウジから受領していたと指摘した。英BBCによると、被告の自宅からは1億1300万ドル以上に相当する現金が押収された。弁護側は「バシル氏が不正に利益を得た証拠はない」と主張した。

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