ワイエムシィ、小松にバイオ薬材料の研究拠点
分析装置などを手掛けるワイエムシィ(京都市)は主力の生産拠点を構える石川県小松市に、バイオ医薬品の製造に欠かせない分離剤の研究開発拠点を新設する。このほど同社の小松事業所の近隣で約1万平方メートルの用地を取得。新たな研究棟を2021年に着工し、22年の完成・操業開始をめざす。
分離剤は生物由来のタンパク質から特定の物質を分離する化学材料。バイオ医薬品の精製工程で不純物を取り除くのに不可欠で、バイオ薬の市場拡大に伴って世界的に需要が拡大している。
研究棟では分離剤を低コストで効率的に生産する技術を研究し、高額なバイオ医薬品の製造コストの低減につなげる考え。拠点新設に伴い、研究スタッフなどの従業員を20人ほど増やす計画だ。総投資額は約25億円を見込む。
ワイエムシィは小松事業所で分離剤の新工場の建設を進めており、20年春の操業開始を予定している。工場の稼働後は生産能力が4倍に拡大する見通しで、国内外の製薬会社への供給を増やす。