豪複合企業、レアアースのライナス買収断念

2019/8/23 17:44
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【シドニー=松本史】オーストラリアの複合企業、ウェスファーマーズは23日までに、豪レアアース大手ライナスの買収を断念すると発表した。ライナスは中国以外では世界で唯一、大規模にレアアースを生産している。米中貿易戦争で中国がレアアースを交渉カードにする中、ライナスの株価は上昇していた。

マレーシアにあるライナスのレアアース工場=同社提供

ウェス社は3月26日、15億豪ドル(約1080億円)での買収を提案した。提案前日の25日、1.55豪ドルだったライナスの株価は、米中貿易戦争の激化によるレアアースの対米輸出規制観測が出た5月下旬以降上昇し、ウェス社の買収提案額を超えて推移している。「ライナスの株価上昇でウェス社は買収提案が割に合わなくなったと見切りを付けた」(関係者)との見方が強い。

中国は世界のレアアースの8割以上を生産し、米国も中国頼みだ。現在、採掘した鉱石から17種類のレアアースを分離して取り出す技術を保有し、大規模な生産を行っているのは、中国企業以外ではライナスのみだ。

日本で利用されるレアアースの約3割はライナスが供給している。同社は5月、米国企業と合弁で米テキサス州にレアアースを分離する新工場を建設すると発表しており、日本や米国への供給体制を強化するとみられる。

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