MacでWindows、グラフィック機能を強化
カナダのソフトウエア企業コーレルの日本法人(東京・新橋)は22日、都内で新製品発表会を開き、米アップルのパソコン「Mac(マック)」上で「Windows(ウィンドウズ)」など別の基本ソフト(OS)を動かせる仮想化ソフト「パラレルス・デスクトップ」の最新バージョン15を発表した。

パラレルス・デスクトップ15は、13日にグローバル向けに発表したバージョンになる。直販サイトでは22日より販売を開始した。
発表会にはパラレルスマーケティング部長の日下部徳彦氏が登壇。バージョン15の特徴として、アップルが独自開発したグラフィックスAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)「Metal(メタル)」や、Macの最新OS「macOS Catalina(カタリナ)」の新機能などへの対応を挙げた。
Metalを使用したグラフィックス性能については、Windows10の仮想マシンで米マクロソフトのAPI「DirectX(ダイレクトエックス)11」をサポートできることを特徴として挙げた。DirectX9と10についても、Metal経由で動作するという。これらは現行のmacOS Mojave(モハベ)でも利用できるものの、macOSカタリナとの組み合わせで最大の効果を得られるとした。
ユーザーのメリットとして、バージョン14では起動できなかった「Autodesk(オートデスク)3ds Max 2020」などのCAD/CAM(コンピューターによる設計/製造)アプリケーションや、「Age of Empires: Definitive Edition(エイジオブエンパイア:ディフィニティブエディション)」などのゲームが実行可能になった。
macOSカタリナの新機能として、iPadをセカンドディスプレーとして利用する「Sidecar(サイドカー)」や、Apple IDによるログインにも対応する。サイドカーではiPad上にWindows10の仮想マシンを表示して利用できるうえ、Apple Pencil(アップルペンシル)にも対応する。

直販サイトでは22日から、家電量販店や通販サイトでは30日から販売をそれぞれ開始する。直販サイトでの価格は通常版が9091円、すべての旧バージョンを対象としたアップグレード版は4819円となっている(いずれも税別)。
(ライター 山口健太)
[日経 xTECH 2019年8月22日掲載]
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