断層破壊阻むスロー地震域 東日本大震災で京大など確認

2019/8/23 11:36
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極めてゆっくり断層がずれて起きる「スロー地震」の多発域が、東日本大震災の原因となった断層の破壊がさらに進むのを阻んでいた――。こんな分析結果を、京都大や防災科学技術研究所(茨城県)などのチームが22日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。

地震規模を大きくする断層の破壊を妨げるバリアーとしてスロー地震多発域が働く可能性があり、今後、メカニズムを調べるという。

チームの西川友章日本学術振興会特別研究員は「巨大地震のリスクや規模を検討する上で重要な成果」としている。

チームによると、通常の地震は断層が1秒に1メートル程度急激にずれて起きる。一方、スロー地震は大きいものでも1日に1センチほどの揺れに気付かないような規模で、東日本大震災や懸念される南海トラフ地震など海溝型巨大地震の発生域周辺で起きるとされる。

研究では、スロー地震と巨大地震の関連を調べるため、東北地方の太平洋沖に位置する溝状の海底地形「日本海溝」でのさまざまな地震観測データを利用。東日本大震災も日本海溝沿いで起きており、詳しく解析した。

すると、東日本大震災の際に断層のずれが特に大きかった宮城県沖の地域には、北部と南部にスロー地震多発域があり、その境目辺りの地域で、断層破壊の進行が阻まれていたことが分かった。

南海トラフでは陸側と沖合にスロー地震多発域があり、詳しく調べる必要があるとしている。スロー地震は米国やチリなど世界的にも確認されている。

〔共同〕

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