米ロ、軍縮巡り非難の応酬 国連安保理で緊急会合

ヨーロッパ
2019/8/23 7:49
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軍縮を巡って米ロが互いに非難した(22日、ニューヨークの国連本部)=国連提供

軍縮を巡って米ロが互いに非難した(22日、ニューヨークの国連本部)=国連提供

【ニューヨーク=大島有美子】国連の安全保障理事会は22日、米国が実施した中距離ミサイルの発射実験を受けた緊急会合を開いた。会合では米国とロシアが自国の正当性を主張し、互いを非難し合った。中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効し、軍縮を巡る機運は暗雲が垂れ込めている。

緊急会合はロシアと中国が開催を要請した。「米国のせいで我々は制御できない軍拡競争の一歩を踏み出している」。ロシアの国連次席大使は22日、米国による一方的なINF廃棄条約からの離脱と、その後のミサイル発射実験を非難した。米ロが結んでいた同条約は2日に失効し、米国は18日、同条約が禁じていた地上配備型の中距離ミサイルの発射実験を実施した。

会合には国連事務次長で軍縮担当上級代表を務める中満泉氏が出席した。中満氏は会合の冒頭で「INF廃棄条約の失効が、制御できないミサイル開発や収集、拡散競争のきっかけとなってはならない」と危機感をあらわにした。「新たな国際的な枠組みを早急につくる必要がある」とも強調した。

だが、今回の会合では軍縮に向けて国際社会が足並みをそろえるにはほど遠い状況であることが浮き彫りになった。中満氏の後に演説したロシアはINF廃棄条約を一方的に破棄した米国を糾弾した。条約失効から時間をおかずにミサイル発射実験をしたことに対し「米国は着実に、意図的に条約に違反していた」と述べた。

米国の代表はロシアが、条約で禁じられた中距離ミサイルを欧州に配備していたと主張し、「ロシアが条約に違反していた。ロシアのせいで条約はもう存在しない」と真っ向から反論した。さらに「米国は我々と同盟国の安全を守るため、必要な措置を取る」として、今後もミサイルの実験や開発を進めると述べた。

核軍縮に関しても米国は「米国が核兵器を削減してきたのに対し、ロシアと中国は反対の方向に行っている」と中ロを批判した。中国の国連大使は「国連の多国間の枠組みのもとで、積極的に軍縮協議に参加してきた」と反論した。核を巡っては2020年に、核拡散防止条約(NPT)の運用状況を検討する再検討会議が開かれる。

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