アマゾンで森林火災、仏大統領「G7で議論を」

中南米
2019/8/23 7:43
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【サンタレン(ブラジル北部)=外山尚之】南米ブラジルにある世界最大の熱帯雨林アマゾンで続く大規模火災が、地球温暖化へ悪影響を与えかねないとの批判が国際社会で高まっている。フランスのマクロン大統領が24日から同国で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)で議論すべきだと訴えた。一方、ブラジルのボルソナロ大統領は政府の責任を否定し、対処方針も示しておらず、被害は拡大しそうだ。

アマゾンでは火災発生ペースが急増している(20日、ブラジル北部アマゾナス州)=ロイター

アマゾンでは火災発生ペースが急増している(20日、ブラジル北部アマゾナス州)=ロイター

地球上の酸素の20%前後はアマゾンでつくられているといわれる。マクロン氏は22日、アマゾンの森林火災を「国際的な危機だ」と表現し、G7サミットで議論すべきだとツイッターに投稿した。国連のグテレス事務総長も「アマゾンは守られるべきだ」と主張した。

ブラジル国立宇宙研究所(INPE)によると、2019年に入り8月19日までアマゾンで発生した火災件数は7万件を超え、前年同期より8割強増えた。8月は北部のアマゾナス州やロンドニア州で大規模な火災が起きた。両州を含む地域ではこれから約3カ月にわたり乾期で雨が少なくなるため、早期の鎮火が難しい状況になりそうだ。

焼き畑により黒焦げになった木(22日、ブラジル北部パラ州)

焼き畑により黒焦げになった木(22日、ブラジル北部パラ州)

一方、ボルソナロ氏は22日、ブラジル政府に責任はないとの立場を改めて強調した。マクロン氏がツイッターにアマゾンの問題とは関係のない火災の写真を投稿していると指摘した。23日には複数の仏メディアが、少なくとも16年以上前に撮影された写真だと報じた。

ボルソナロ氏は22日のツイッターで「当事国(ブラジル)を除いてG7で議論しても植民地主義の見当違いの考え方を呼び起こすだけだ」と非難した。火災の原因についてボルソナロ氏は21日、環境保護の非政府組織(NGO)による自作自演の可能性を示唆したが、証拠は提示しなかった。

ボルソナロ氏は1月に大統領となる前から地球温暖化を巡る議論に懐疑的な見方を披露し、アマゾン地域の鉱業や農業を開発する意向を明らかにしていた。アマゾンのあたりの農家には政府が熱帯雨林の伐採を容認したとの見方が広がり、7月の森林伐採面積は前年同期比で4倍近くに増加した。今回の火災の原因として、焼き畑農法で使った火で森林が延焼したとの見方が強まっている。

ほかの南米諸国の多くでもいまは乾期で、森林火災が発生しやすい。ブラジルと隣接するボリビアの南部でも大規模な火災が起きた。ボリビア政府は22日、8月だけで東京都が3つ入る広さである計約65万ヘクタールの森林が焼失したと明らかにした。

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