韓国、日本との軍事情報協定 更新の是非協議

日韓対立
2019/8/22 16:36
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【ソウル=恩地洋介】日韓で防衛秘密を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の更新期限が24日に迫るなか、韓国大統領府は22日の国家安全保障会議(NSC)で更新の是非を協議。韓国内では一定期間、情報交換を制限する条件を付ける案も浮上した。これに先立ち韓国高官と会談した米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は、更新を望む米国の立場を伝えたとみられる。

GSOMIAの破棄を求める市民団体(7月、ソウル)=AP

GSOMIAは日韓の防衛当局が防衛秘密の交換を円滑にするための協定。2016年11月に署名し、1年ごとに更新してきた。輸出管理の厳格化を巡って日韓の対立が強まるなか、韓国政府は撤回や追加措置の阻止を迫るカードとして破棄の可能性を示唆してきた。

GSOMIAを破棄する場合は、24日までに相手国に通告する必要がある。韓国メディアは、協定は延長するが一定の間は情報交換を停止する条件を付ける案などを報じている。

22日午後に開いたNSCの常任委員会に先立ち、ビーガン氏は韓国大統領府の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長と会談。金氏によると、GSOMIAの扱いを含め日米韓の安保協力を巡って協議した。金氏は記者団に「NSCで慎重に検討する。国益に合致するよう判断し内容を決める」と述べた。

米国はかねて韓国側に日韓の安保協力の継続を説いてきた。9日に韓国を訪問したエスパー米国防長官は鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相に「日米韓の安保協力を強化できるようにしてほしい」と伝えていた。

北朝鮮が韓国を射程に収める短距離弾道ミサイルを相次ぎ発射するなか、GSOMIAは実際に機能している。日韓両政府は一連のミサイル発射を巡って情報交換したことを認めている。

韓国紙の中央日報によると、5月以降に北朝鮮が飛翔(ひしょう)体を発射した全8回のうち7回で日韓は情報をやりとりした。ミサイルが日本列島を越えた場合などは、韓国軍のレーダーでは詳細を捕捉しきれず、日本の情報が必須となる。韓国側は過去に北朝鮮が核実験した際にも日本から情報提供を受けたと明らかにしている。

GSOMIA更新の是非が韓国で議論される背景には、北朝鮮との距離を巡る国内の路線対立もある。南北融和を優先する韓国の革新系勢力には「日米韓の安保協力は南北分断を固定化する」という主張が存在する。北朝鮮はメディアを通して同協定の破棄を韓国側に促してきた。

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