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日本馬、積極的に海外へ 凱旋門賞で悲願達成なるか

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2019/8/24 5:30
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2019年は日本調教馬が積極的に海外へと遠征している。短期の遠征が多いのはもちろん、各地を転戦して英国でG1を勝ったディアドラ(牝5、栗東・橋田満厩舎)のように、長期にわたって遠征し、結果を出す馬も現れた。優勝が競馬関係者の悲願とされる凱旋門賞(10月6日、G1、仏・パリロンシャン、芝2400メートル)へも現時点で3頭が出走を予定。今後も海外での日本調教馬の走りから目が離せなさそうだ。

ディアドラは英国G1で勝利

19年は8月23日の時点で日本調教馬が26回、海外のレースに出走した。この時期としては過去最多の回数を記録する。21日にはシュヴァルグラン(牡7、栗東・友道康夫厩舎)が英国のインターナショナルステークス(G1、ヨーク、芝約2100メートル)に出走(9頭立て8着)。近年は遠征の少なかった真夏の時期にも、日本調教馬が海外のレースに参戦している。

長期遠征で英国のG1、ナッソーステークスを勝ったディアドラ(左)は次戦の結果次第で凱旋門賞出走も検討する=共同

長期遠征で英国のG1、ナッソーステークスを勝ったディアドラ(左)は次戦の結果次第で凱旋門賞出走も検討する=共同

なかでも光るのが長期遠征した馬の健闘。春にはマスターフェンサー(牡3、栗東・角田晃一厩舎)が3カ月間米国に滞在し、現地のクラシックを戦った。ケンタッキーダービー(G1、米・チャーチルダウンズ、ダート約2000メートル)では日本調教馬として過去最高の6着に入った。

3月下旬に日本を旅立ったディアドラは、その後、一度も帰国せずにドバイ、香港、英国と世界各地を転戦。1日に行われた牝馬限定のG1、ナッソーステークス(芝約2000メートル)で、現地のクラシック勝ち馬を下して優勝した。英国での2戦目だったこの勝利は、2000メートル級より長い距離で行われる英G1での日本調教馬の初勝利となった。00年に外国産の日本調教馬だったアグネスワールドが英国の短距離G1を勝ったが、日本産の日本調教馬が英G1を勝つのも今回が初めてだった。

ナッソーSが行われたグッドウッド競馬場は、起伏が激しいうえに、直線に8の字形を組み合わせた特殊なレイアウト。日本の競馬場とは全く違う難しいコースである。加えてグッドウッドの夏の開催は現地での注目度がかなり高い。日本の競馬関係者にとっては収穫の大きな勝利だったといえる。

次戦は例年、強豪の集まるアイルランドのチャンピオンステークス(9月14日、レパーズタウン、G1、芝約2000メートル)を予定。凱旋門賞には現時点で登録がなく、12万ユーロ(約1400万円)の追加登録料が必要になるが、チャンピオンSの結果次第では凱旋門賞出走も選択肢に入ってくるという。

その凱旋門賞へは3頭の日本調教馬の参戦が現段階で決まっている。17年の菊花賞馬のキセキ(牡5、栗東・角居勝彦厩舎)、18年菊花賞と19年の天皇賞・春を勝ったフィエールマン(牡4、美浦・手塚貴久厩舎)、18年の有馬記念優勝馬、ブラストワンピース(牡4、美浦・大竹正博厩舎)である。

キセキは21日にすでに現地入り。現地の前哨戦、フォワ賞(9月15日、G2、パリロンシャン、芝2400メートル)から凱旋門賞へ向かう。フィエールマンとブラストワンピースは凱旋門賞の前哨戦という位置付けで18日の札幌記念(G2、札幌芝2000メートル)に出走。それぞれ3、1着となった。9月に出国し、凱旋門賞に直行する。

欧州馬は強豪ばかり

迎え撃つ欧州馬は例年通り、強豪が集まりそうだ。史上初の凱旋門賞3連覇を狙うエネイブル(牝5、英)は17年5月から9連勝で今季初戦のエクリプスステークス(G1、英・サンダウン、芝約2000メートル)を迎え、2番手追走から危なげなく抜け出して優勝した。

次戦の「キングジョージ」(G1、英・アスコット、芝約2400メートル)は後方から競馬を進め、馬群の外側を回って追い上げて勝った。22日のヨークシャーオークス(G1、ヨーク、芝約2400メートル)でも1着と順調なシーズンを送る。断然の地力に加え、戦法に自在性もあり、様々なコースや馬場状態でも結果を残している。いまのところ死角は見当たらない。英国のブックメーカー各社の前売りでも、現段階では圧倒的な単勝1番人気に評価されている。

史上初の凱旋門賞3連覇を狙うエネイブル=共同

史上初の凱旋門賞3連覇を狙うエネイブル=共同

クリスタルオーシャン(牡5、英)は1番人気に支持された英インターナショナルSで2着に敗れたが、高水準のメンバーが集まったプリンスオブウェールズステークス(6月19日、G1、アスコット、芝約2000メートル)で優勝している。そのクリスタルオーシャンをインターナショナルSで破った3歳牡馬のジャパン(アイルランド)も凱旋門賞に出走する可能性がある。

過去の日本調教馬の凱旋門賞での成績を振り返ると、2着が4回ある。そのうち2000年代に入ってからの3回は現地の前哨戦から本番に臨んだ。今年はキセキがこのパターンである。

一方、国内のレースから直行して好走した馬は少ない。06年にディープインパクトが3位入線の後に禁止薬物検出で失格となったのが、上位でゴールに入った唯一の事例である。フィエールマンとブラストワンピースの陣営が選択した札幌記念から直行という臨戦過程では、14年の凱旋門賞でハープスターとゴールドシップが、それぞれ6、14着に敗れた。

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