2019年9月16日(月)

半透明もOK、テープなしファスナー YKKとJUKIが開発

自動車・機械
2019/8/22 14:50
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「小さな変化」だが、ファッションに新たな旋風を巻き起こすかもしれない。YKKとミシン大手のJUKIがテープがない新ファスナーを共同開発した。22日、専用ミシンと合わせて実演を公開した。スポーツやアウトドア向けの機能性素材をデザインを損なわず仕上げられ、縫製プロセスも簡単になる。衣料のスタイルの意匠性が高まり、人手不足にも一役買う可能性を秘めている。

ファスナーは「前」という常識を変える

新たに開発したファスナー「エアリーストリング」はファスナーテープを無くしたことで、衣服をより軽く、柔らかく縫製できる。

布地が透けやすいスポーツ、アウトドア向けの布地でも裏のテープが透けず、デザイン性が高い。「ファスナーは前面と前ポケットにしかないといった常識を変えられる」(YKKの本田孝一執行役員)。ファスナーを開けたり閉めたりするのもスムーズにした。

工業用ミシン大手のJUKIが専用ミシンを開発。ファスナーのレール部である「エレメント」をセットし、横付けした布地に糸をくくり付けていくようなイメージで縫う。布とエレメントを同時に送り出していく機構を工夫しており、これまで蓄積した技術力を生かした。

アパレル業界で厳しくなる人材難にも応える。テープ付きのファスナーであれば、表を縫ってから、再び裏に返して縫う。テープ無しは表から1回で縫えばすみ、縫製工程を減らせる。中国やアジアなどの縫製工場でも熟練者が減り、若い担い手が定着しにくくなっており、作業が軽くなる製品として需要を取り込めるとみている。

ミシンはJUKIが製造し、YKKが日本や中国、アジアに工場を持つ縫製会社にレンタルする。ファスナーは4~6色に対応する予定だ。すでに採用を検討している企業があるという。

JUKIとYKKは2017年からファスナーに関連する縫製技術の共同開発を進めており、18年度には第1弾としてロボットアームを活用し、熟練の技に依存しないジーンズ向けファスナーを実用化している。今回は第2弾となる。

ファスナーは1891年に米国で生まれたのが発祥とされる。靴ひもを結ぶ不便さを解決しようと発明されたが、そのときは実はテープ無しだったという。ファスナー業界にとっては「原点回帰」ともいえるが、デザインの自由度が高まり、ファッションに新たなモードを生みそうだ。

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