2019年9月17日(火)

Androidのアクセシビリティー、聴覚障害者向けを強化

モバイル・5G
BP速報
2019/8/22 14:11
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日経クロステック

グーグル日本法人は2019年8月21日、東京・六本木の本社で説明会を開き、5月の開発者向け会議「Google I/O」などで発表したAndroidのアクセシビリティー機能を紹介した。

米グーグルのブライアン・ケムラー氏(写真:山口健太)

米グーグルのブライアン・ケムラー氏(写真:山口健太)

説明会には米グーグルAndroidアクセシビリティープロダクトマネージャーのブライアン・ケムラー氏が登壇。「アクセシビリティーは人権だ。世界中の人がアクセスできるよう、情報を整理していくのがグーグルのミッションだ」と語った。

これまでのAndroidのアクセシビリティー機能は、画面の表示内容の読み上げやスイッチを使った操作など視覚障害者や身体障害者向けの機能が多かった。グーグルは聴覚障害者向けの取り組みを増やしているという。

世界保健機関(WHO)の調査によれば、世界には4億6600万人の聴覚障害者が存在しており、2050年までに9億人に増加するという。これに対してグーグルは、音声を文字で表示する「キャプション」と、音声を増幅させる「アンプリフィケーション」の2つのアプローチから取り組んでいるとした。

「音声文字変換」(Live Transcribe)アプリは、Googleアシスタントでも利用される自然言語処理の技術を用いて、日本語を含む70以上の言語の音声をリアルタイムで文字に変換できる。19年2月の提供開始後、6月には「変換結果の3日間保存」「コピー&ペースト対応」「口笛や拍手など環境音の認識」といった新機能を追加した。

今後提供予定の機能としては「ライブキャプション」を紹介した。機械学習を活用して、動画や音声メッセージなどにキャプションを付ける機能で、クラウドを利用せず完全にオンデバイスで動作する。19年内に英語版を提供し、日本語への対応予定は未定とした。

「音声増幅」(Sound Amplifier)アプリは、有線ヘッドホンを利用して周囲の音をフィルタリングし、聞きたい音だけを増幅できる。19年2月の提供開始後、バージョンアップにより新たなユーザー・インターフェースに対応し、Android 6.0以降の端末で広く利用可能になった。

アンプリフィケーションについては、次期バージョンのAndroid Qで補聴器のサポートを強化する。Bluetooth LEを利用し、他のアクセサリーなどを必要とせず補聴器とスマホだけで音声通話やオーディオを楽しめるようになる。

Androidのアクセシビリティー機能を活用してグーグルで働く小林育未氏は、「聴覚障害があり会議で聞き取りができず苦労していたが、音声文字変換を使うことで瞬時に文字に変換され、欠かせないツールになった。難聴者以外にも多くの人に使ってほしい」と語った。

内部の仕組みとして、音声文字変換はクラウド上の音声認識API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を利用する一方、環境音の認識についてはオンデバイスで処理している。プライバシー保護の点では、「クラウドに送られた音声データは文字認識後に破棄しており、保存することはない」(ケムラー氏)とした。

今後はクラウドからデバイス上に移っていく方向性という。「従来の音声認識モデルは何百ギガバイトもあってクラウドでなければ難しかったが、技術の進化でモデルは小さくなっており、今後提供するライブキャプションはオンデバイスで実現する。将来はすべてオンデバイスになるだろう」(ケムラー氏)との見方を示した。

(ライター 山口健太)

[日経 xTECH 2019年8月21日掲載]

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