2019年9月16日(月)

19年度の実質成長率は0.7%、20年度は0.8%成長 NEEDS予測
長期化する米中対立、内需が景気を下支え

2019/8/22 12:39
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日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、内閣府が8月9日に公表した2019年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値を織り込んだ予測によると、19年度の実質成長率は0.7%、20年度は0.8%の見通しになった。

米中貿易摩擦の長期化が世界経済の重荷となり、日本の輸出や生産は減速傾向が続く。ただ、各国とも深刻な景気後退は回避するほか、内需が堅調に推移して景気を下支えする。

■前期比0.4%増――19年4~6月期

19年4~6月期の実質GDPは前期比0.4%増(年率換算で1.8%増)と、3四半期連続のプラス成長だった。民間最終消費支出(個人消費)は前期比0.6%増加した。4~5月の大型連休に伴いレジャー関連支出が増えたほか、エアコンやテレビなど耐久消費財の購入も堅調だった。設備投資も同1.5%増となるなど、内需が好調だった。

一方、輸出は2四半期連続のマイナスとなる前期比0.1%減、輸入は同1.6%増で、外需が成長率を押し下げた。

■長引く米中貿易摩擦

米中の貿易摩擦が世界経済に影を落としている。米国は、ほぼすべての中国製品に対象を広げる「第4弾」の制裁関税を9月から開始する見込みだ。発動を先送りしたスマートフォン(スマホ)やノートパソコンなど主要な消費財への制裁関税も、12月から実施するとしている。米中協議は今後も難航が予想され、本予測では米中貿易戦争は20年まで長引くと想定している。

世界経済の不透明感は強まっているが、米国の金融緩和に加え、中国でも減税などの財政政策がとられるため、各国とも深刻な景気後退は回避する見通しだ。

■19年度の輸出・生産はマイナスに

海外経済の減速を受け、19年度内は輸出の低迷が続くと予測している。GDPベースの実質輸出は、19年度は前年度比1.0%減、20年度は同1.8%増を見込む。

世界的な製造業の不振の影響で、生産の基調は弱い。6月の鉱工業生産は自動車や生産用機械などが減少し、前月比3.3%低下した。4~6月期でみても前期比の伸びは1%に届かず、1~3月期の同2.5%低下からの回復としては弱い。輸出が今後も低迷することで、生産の年内の動きは前期比でマイナス基調が続きそうだ。

一方、企業の設備投資は非製造業を中心に底堅く推移する。8月1日に日本政策投資銀行が発表した19年度の設備投資調査では、深刻な人手不足から小売業などの省力化・効率化投資は堅調だ。GDPベースの設備投資は19年度に前年度比2.7%増、20年度は同1.0%増と予測する。

■消費は所得が下支え

7~9月期の個人消費は消費増税前の駆け込み需要も見込まれ、前期比0.8%増と伸びが高まる見通し。内閣府が7月31日に公表した消費者態度指数(季調値)が10カ月連続で低下するなど、家計の消費マインドは弱い。それでも消費が落ち込まないとみているのは、所得の下支えがあるためだ。4~6月期の名目雇用者報酬は前年同期比2.0%増と前期から伸びが高まった。

これまで改善を続けてきた雇用には頭打ちの兆しもあるが、所得の底堅さが今後も個人消費を支える要因となりそうだ。19年度の個人消費は前年度比0.6%増、20年度は同0.7%増と予測している。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが19年8月に公表した短期予測をベースにしている。

(日本経済研究センター 山崎理絵子、デジタル事業 情報サービスユニット 渡部肇)

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