自動運転の米ウェイモ、走行データを外部に開放 研究用

2019/8/22 3:26
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ウェイモの自動運転車がとらえた画像データを研究者は活用することができる

ウェイモの自動運転車がとらえた画像データを研究者は活用することができる

【シリコンバレー=中西豊紀】自動運転のウェイモは21日、同社の公道試験車が集めた走行データを研究用途向けに外部に開放すると発表した。自動運転車で使う人工知能(AI)のモデルづくりに活用できるという。競争力の源泉であるデータをあえてオープンにすることで業界全体でのAI開発を促し、協業相手の発掘などにつなげる狙いがありそうだ。

アルファベット傘下のウェイモはグーグル時代の09年から自動運転の開発に取り組んでいる。公道での試験走行距離は千万マイル(約1600万キロ)を超えており、業界でも最も実走行のデータを持つとされる。

今回、「ウェイモ・オープン・データセット」としてデータの無償開放を決めた。運転状況を1000に区分したそれぞれ20秒の高精細のデータで、レーザーを使って3次元データを測定する「ライダー」とカメラで取り込んだ2次元画像が含まれる。周辺を走る車や自転車、道を横切る歩行者など、画像内の異なる対象もそれぞれコンピューターで見分けがつくよう「ラベル」整理されている。

研究者はこれらデータを使って対向車や歩行者の動きを予測するAIのアルゴリズムを開発することが可能だ。ウェイモでは自動運転にとどまらず、「人間の行動分析や2次元と3次元を組みあわせたAIによる高度な認識、ロボット研究などにも役立つ」(広報)と見ている。

データは商用目的でなければ大学にとどまらず企業に所属する研究者も使うことができる。ウェイモは自社の中核技術のアルゴリズムまでは外部に公開しておらず、今回開放となったデータだけでは自動運転車はつくれない。スタンフォード大学の自動運転研究センターを率いていたコンサルタントのスヴェン・ベイカー氏は「産業の裾野拡大が狙いだ」と分析する。

グーグルは過去、スマートフォン基本ソフト(OS)のアンドロイドを無償で公開し、結果的にOS業界でのシェアトップを握った実績がある。ウェイモは「今後も開放データを増やしていく」方針。スヴェン氏は「恩恵を受けるスタートアップなどとの協力関係を深め、陣営を強固にしていくのでは」と話している。

米国の自動運転業界では走行データを開放する流れが出始めている。すでに配車大手のウーバーテクノロジーズとゼネラル・モーターズ(GM)傘下のクルーズが似たデータを研究者向けに開示ずみ。AI開発の担い手が不足するなか、企業は大学レベルからの人材育成に動き出している。

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