2019年9月23日(月)

インドネシア、東部でデータ通信遮断 暴動拡散を懸念

2019/8/22 1:13
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【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシア通信・情報省は21日、同国東部ニューギニア(パプア)島でデータ通信を遮断したと発表した。同島ではパプア人学生らの抗議デモが一部で暴動に発展しており、当局はソーシャルメディアなどを通じた暴動拡大を警戒してデータ通信の遮断に踏み切った。市民生活にも大きな影響が出るだけに、同地で政府への反発が高まる可能性もある。

21日、インドネシア東部パプア州で暴動で燃やされた市場=AP

21日、インドネシア東部ティミカで人種差別に反対する抗議デモに参加するパプア人の若者たち=AP

同省の発表によると、対象は東部のパプア州と西パプア州で、21日から原則的に全データ通信を遮断した。詳細は明示していないが、規制は主にスマートフォン(スマホ)によるデモ情報や画像などの拡散阻止に主眼を置いているもようで、規制の期間は「パプアの状況が平常に戻るまで」としている。

インドネシア政府は5月に野党支持者の一部がジャカルタ中心部で暴動を起こした際にも、ソーシャルメディアや対話アプリの利用を一部制限した。ただ、全データ通信を一律に規制するのは異例で、経済活動などが著しく制約を受ける恐れがある。

暴動は19日に西パプア州の州都マノクワリやパプア州の州都ジャヤプラなど複数の都市で発生した。パプア人学生らが人種差別反対を訴えたデモで一部が暴徒化した。西パプア州議会の庁舎が放火されたほか、空港などにも被害が出た。一時は沈静化したが、21日には複数の都市で抗議デモが発生し、一部で暴動が起こった。

国家警察は何者かがソーシャルメディアなどを通じて暴動をあおっているとみて警戒を強めている。ティト国家警察長官は19日、パプア人の学生に対し「(偽の情報に)つられてはいけない」と警告していた。

ニューギニア島の西半分はインドネシア領となっているが、1960年代から独立運動が盛んで、インドネシア国軍とパプア独立派との戦闘などでこれまでに多数の死傷者が出ている。パプア人の間ではインドネシアで主流派のジャワ人などへの反感が根強い。

今回の抗議デモや暴動の発端は、パプア人学生がジャワ島のスラバヤで治安当局者に「犬、ブタ」などと侮辱されたという事件だ。国際人権団体、アムネスティ・インターナショナルは20日、「警察による差別があったとされる件は今回だけでない」と指摘し、国家警察が暴動にいたった根本的な原因を追及すべきだと要求した。

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