福岡・天神、ITエンジニアの交流拠点始動
福岡市は21日、IT(情報技術)のエンジニアらの育成を促す拠点「エンジニアカフェ」を市の繁華街・天神にオープンした。エンジニアがゆったりとした気持ちでプログラミングの勉強会などを開けるオープンスペースやカフェ、あらゆるものがネットにつながるIoTの装置を試作できる工作室などを設けた。

福岡市は2017年、起業家の集まる施設「フクオカグロースネクスト」(FGN、同市中央区)を開設し、起業家のアイデアを事業に育てる支援を重ねてきた。市の一連のスタートアップ政策の第2の中核拠点となるエンジニアカフェは「これまでビジネスを支える役割だったエンジニアの技術からビジネスが生まれる場」(高島宗一郎市長)を目指す。
ITエンジニアは一般的に他職種と比べ転職が多いが、エンジニアカフェがキャリア形成を支援することで、地元エンジニアの流出を防ぐ狙いもある。
将来的には人材を募集するFGNの起業家と、エンジニアカフェの技術者を結びつけるイベントも検討している。高島市長は「2つの拠点が切磋琢磨(せっさたくま)しながらスタートアップが加速すると確信している」と話した。
施設は1909年に建てられた国の重要文化財「赤煉瓦(れんが)文化館」を改装。エンジニアは飲食代を除き、施設を無料で利用できる。運営はNPO法人のAIP(福岡市)が担う。