2019年9月23日(月)

世界における日本の大学 層の厚さ、生かすべき

大学
2019/8/26 5:30
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日本経済新聞 電子版
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大西隆・豊橋技術科学大学長(東京大学名誉教授)は、政府が国立大学を中心に大学評価を過剰に強める背景には世界ランキングの伸び悩みがあるが、日本の大学には質の高さと層の厚みという強みがあると指摘する。

学長になって5年半になろうとしている。この間に感じたことは、政府の大学への対応が性急に過ぎるのではないかという疑問である。

大西隆・豊橋技術科学大学長

大西隆・豊橋技術科学大学長

大学、特に国立大学は、4種類の異なる評価を受けている。全ての大学は7年に一度、その存在の適切性を問われる認証評価を受け、国立大学はさらに6年に一度、それぞれの中期目標の達成度を問われる目標評価を受ける。ともに法律で定められた評価で、教育、研究、その他の社会との関わり、管理運営の在り方の実績が問われる。

本来、2つの評価で十分と思われるが、数年前から国立大学に対しては役割に応じて3つに分類した上で、各大学が定める重点項目の達成度を毎年評価する機能強化という名の評価が始まり、さらに今年度の予算からは文部科学省と財務省が定める客観指標による評価が加わり、国立大学の評価は計4種類になった。

初めの3つは、大学がその運営や目標達成に対して行う自己評価を検証する形で行われるのに対し、新たに始まった客観指標による評価は文科省と財務省とで定める客観指標に照らして評価される。しかも、昨年度に行われた今年度予算に向けた評価では、肝心の評価項目は事前に示されなかった。評価はあらかじめ共有された目標の達成に向けて大学の努力を促すことに意義があるとすれば、事前に項目が示されない評価は効果を期待できない。

大学に交付金や補助金を支出する政府が、その適切な運営に向けて評価を行うことはある意味で当然である。ただ、ここまでいくつもの評価を、しかも事前に評価項目を示さずに行う意味は理解し難い。政府は…

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