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リーマン危機後の米銀規制、緩和を決定 トランプ氏公約

トランプ政権
金融機関
2019/8/21 7:32
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【ニューヨーク=宮本岳則】米連邦預金保険公社(FDIC)など米金融監督当局は20日、金融機関に高リスクの自己勘定取引などを禁じた「ボルカー・ルール」の一部緩和を最終決定した。禁止行為の判断基準が明確になり、米銀が短期売買をやりやすくなる。同ルールは2008年に起きた金融危機の反省で設定されたが、公約実現を狙うトランプ米政権と、米ウォール街の後押しによって、初めて改正されることになる。

取引規制を提唱したボルカー元FRB議長(左)(ワシントン)=ロイター

米連邦準備理事会(FRB)が18年5月に見直し案を公表した後、米金融界などの意見を踏まえ、修正作業が続けられていた。FDICと米通貨監督庁(OCC)が20日までに最終案の承認を決めた。今後、FRBや米証券取引委員会(SEC)、米商品先物取引委員会(CFTC)が順次、承認する見通しだ。改定ルールは20年1月1日付で発効される。

今回の見直しで焦点となっていたのは、投機的取引と判断される基準の明確化だ。現行のボルカー・ルールでは、流動性の提供を目的とした顧客向け取引までは禁止していない。ただ、基準が曖昧で、金融機関側がルール違反ではないと証明する必要があった。事務コストが膨大になり、ルール制定当初から米銀側の不満が大きかった。

改定ルールでは、米金融機関の売買担当者(トレーダー)が「投機的な自己売買ではない」と証明しない限り、保有期間が60日未満の持ち高はルール違反になるとの項目をなくす。トレーダーの取引意図を判断するのは難しいからだ。トレーダーの売買自由度を高めることで、市場の流動性が向上すると期待されている。今回の改正では、売買規模の小さい中小金融機関には多くの義務を免除することも決めた。

ボルカー・ルールは08年の金融危機後に制定された。オバマ前政権が10年、金融危機の再発を防ぐために整えたドット・フランク法(金融規制改革法)に盛り込まれている。一部の金融機関がヘッジファンドのような取引に従事していたことを問題視。預金者のお金を高リスク取引に投じないように、自己勘定取引やファンド投資を厳しく制限した。

ゴールドマン・サックスなど米大手金融機関は金融規制の見直しを長年求めてきた。ウォール街はようやく規制緩和を勝ち取ったと言えるが、中小銀に比べて「恩恵は小さい」(米投資銀行キーフ・ブリエット・アンド・ウッズの銀行担当アナリスト)との見方が多い。改定ルールでも自己勘定取引やファンド投資への制限は残るからだ。トレーディング事業は電子取引の普及などで構造的にもうけにくくなっており、各社とも事業の縮小を進めてきた。

トランプ政権にとって今回の改正の政治的な意味は大きい。オバマ前政権の「遺産」を潰したいトランプ氏は前回の大統領選挙戦中から、ドット・フランク法が中小銀行に重い負担を押しつけているなどと批判。米金融監督当局もトランプ政権の意向を受けて、ルールの見直しに着手していた。最終的な規制緩和の中身は当初の主張に比べて大幅に後退したものの、トランプ氏にとっては20年の大統領選を前に政策実行力をアピールする材料となりそうだ。

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