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欧州民間銀、マイナス金利転嫁広がる 個人口座に手数料

【ロンドン=篠崎健太】欧州で民間銀行が個人の預金口座にマイナス金利を課す動きが広がってきた。デンマーク大手のユスケ銀行は20日、残高が750万クローネ(約1億1900万円)を超す口座で12月から年0.6%の手数料を取ると発表、スイスの銀行も手数料の徴収に動く。国債などのマイナス金利の深掘りが収益を圧迫し、預金者に負担を求めざるを得なくなったためだ。極端な金利低下の悪影響が個人にも及び始めた。

デンマークでは10年物国債利回りが16日にマイナス0.7%台を付け、過去最低を更新した。ユスケ銀のアナス・ダン最高経営責任者(CEO)は声明で「年限にかかわらず国債から金利を得ることができなくなった」と述べ、預金のコスト負担を無視できなくなったと説明した。「マイナス金利の環境は数年続く」との見通しも示した。

デンマーク国立銀行(中央銀行)は2012年にマイナス金利政策を導入した。金融機関から預かる譲渡性預金には現在、年0.65%の手数料(マイナス金利)を課している。超長期の国債まで利回りがマイナスに沈み、銀行にとっては調達コストである預金に払う利息と運用利回りの逆ざやが深刻になっている。

スイスのUBSは11月1日から、残高が200万スイスフラン(約2億2000万円)を超すスイス国内の個人口座に、年0.75%の手数料を課すことにした。ユーロ建ての口座では、年0.6%の手数料を課す口座の対象を、従来の残高100万ユーロ超から50万ユーロ超に引き下げる。「低金利の期間はさらに長引く」とみて、中銀が課すマイナス金利の顧客への転嫁を広げる。

クレディ・スイスも9月1日から、100万ユーロ超の残高がある個人のユーロ建て口座に年0.4%の手数料を適用する方針だ。法人顧客などには既に適用してきたマイナス金利を個人の富裕客にも広げる。

欧州では預金へのマイナス金利は法人向けには導入されてきたが、個人では一部の小規模な金融機関にとどまっていた。預金額の多い富裕客向けとはいえ、大手銀でも導入が広がることで金利低下のしわ寄せは個人にも強まる。中銀が一段と利下げすれば対象はさらに広がりかねない。

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