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バスケ 東京に負けへんで 安井直樹 大阪エヴェッサ社長

未来像

■男子プロバスケットボール、Bリーグの大阪エヴェッサは営業力の強さで一目置かれる。リーグ発足の2016~17年シーズンは参加チーム中首位のスポンサー収入を集め、その後もトップクラスを維持(17~18年シーズンはリーグ3位の6億6655万円)。原動力は社長の安井直樹さん(34)だ。

営業活動の基本的な考えは「1つの会社から1千万円」ではなく「10社から100万円ずつ」。付き合いやすい価格で、数多くの企業に支援をいただこうという発想だ。

私は天王寺で生まれ育った生粋の大阪人だが、東京とはやはり都市の規模が違うと感じる。東京は大企業も多く、大口の契約もあるのだろう。こうした経済規模の違いに加え、大阪の経営者は堅実で派手なことは好まない。大口契約を狙うという東京と同じやり方はなじまない。

大阪の経営者は情に厚く、「地元のチームを支えよう」という方も多い。一方で商売人の街らしく、スポンサーになることで得られる効果はしっかり分析している印象だ。試合会場の看板に企業名を載せる従来の形だけでなく、様々な手法や価格帯で対応することでスポンサーになる効果を感じてもらえるよう工夫している。例えば、自社の名刺などにチームのロゴを載せるだけでいいという企業があった。名刺にロゴがあると取引先とのコミュニケーションが円滑になるとの理由だった。

私も大阪の経営者もしゃべるのが好き。お互いに話し合い、エヴェッサの持つ資源で企業のニーズにいかに応えるか。その対価としてスポンサー料をいただくという考えで営業している。現在、約500社もの企業にスポンサーとして支援してもらっている。

■自身も小学生のころからバスケットボールをプレーしていた。

バスケットボールを始めたきっかけは漫画の「スラムダンク」。中学の時に「もっとやれるはず」と考え、強豪の大商学園高校(大阪府豊中市)に入った。さすがに強豪校だけあって、能力やセンスのある選手ばかり。同じ土俵で戦っても勝てないと感じた。

他の選手とは違うやり方で活路を開こうと考えた。「頑張っているな」と周りに思ってもらい、試合に出られるよう、試合後に自主練習をするなどでアピールした。東京とは違うやり方でスポンサー獲得を目指すいまの方針も、学生時代のこの気づきが生かされているのかもしれない。

■エヴェッサはBリーグの前身、bjリーグ時代に3連覇を達成。ただ、近年は下位が多く、18~19年シーズンはBリーグ1部西地区で6チーム中4位。安井さんは「リーグ全体を考えても大阪が強くないと盛り上がらない」と語る。

Bリーグが発足した16~17年シーズン以降、年間王者を決めるチャンピオンシップの決勝は毎年、関東の2チームが出場した。これでは局地的な盛り上がりにとどまる。

大阪人には「対東京」という意識が根強くある。東京のチームとの試合だと観客も盛り上がる。「スポーツなら東京に負けへんで」という感情もあるのだろう。その期待に応えるためにはチームを強くする必要がある。10月に始まる19~20年シーズンは、bjリーグ3連覇時代に指揮を執った天日謙作ヘッドコーチを招くなどの強化策をとった。

大阪府の人口は約880万人。全員にエヴェッサのファンになってもらうのは難しいだろう。一定数のコアなファンを獲得する経営戦略が重要になるが、府民の1割にファンになってもらえるとすると人数は88万人に上る。東京にはかなわないとはいえ、大都市で市場規模も大きいと実感する。だからこそ大阪のチームが強くならなければいけないと考えている。

(聞き手は関根慶太郎)

 やすい・なおき 1984年大阪市生まれ。桃山学院大卒。2008年に大阪エヴェッサの関連会社で、人材派遣を手掛けるヒューマンリソシアに入社。10年にエヴェッサの運営会社に移り、スポンサー営業を担当。16年から現職

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