米朝、対話へ仕切り直し 米韓演習が終了

北朝鮮
2019/8/20 16:06 (2019/8/20 17:57更新)
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【ソウル=恩地洋介】約2週間続いた米韓合同軍事演習が20日に終了した。北朝鮮有事の反撃シミュレーションを含む内容に反発した北朝鮮は、7月下旬以降6回にわたり短距離ミサイルを発射した。他方、金正恩(キム・ジョンウン)委員長はこの間、トランプ米大統領に親書を送るなど米国と対話を続ける意欲は示している。実務者協議の開催を探る米朝の動きが再び始まる。

米韓演習に反発する北朝鮮のニュースを報じる韓国のテレビ(2日、ソウル駅)=AP

米韓演習は5日に始まった。実際の戦力を動員しない図上演習が中心で、後半には北朝鮮への反撃をシミュレーションした。北朝鮮内から核弾頭を除去したり、米韓両軍が住民の治安維持に当たったりする内容が含まれたもようだ。在韓米軍が持つ有事の作戦統制権の韓国軍移管を見据え、韓国軍の遂行能力を検証する演習も初めて実施した。

今回の演習は、米韓両政府が打ち切りを決めた夏の大規模演習「乙支フリーダムガーディアン」の代替と位置づけられた。期間を縮小し演習の公開も控えたが、北朝鮮はそれでも強く反発した。

20日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、演習に「占領地域の治安秩序維持」が含まれていると指摘し「我々を侵略するための公然たる敵対行為だ」と主張した。北朝鮮指導部の排除を想定する「作戦計画5015」がシミュレーションに含まれていると伝えた韓国メディア報道を取り上げ「凶悪非道な戦争侵略脚本だ」と非難した。

北朝鮮は演習前の7月25日以降、トランプ米大統領の容認姿勢に乗じる形で、短距離ミサイルなどを6回にわたり発射した。ロシア製の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を模倣した新型ミサイルや、米軍の地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」に類似した新型の兵器を相次ぎ登場させ、射程に収める韓国をけん制した。

米朝首脳は6月30日に板門店で会談した際、実務者による早期の非核化交渉再開で合意した。北朝鮮は8月初旬にバンコクで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に李容浩(リ・ヨンホ)外相を派遣しなかったが、水面下では対話の維持を働きかけていた。

トランプ氏は金正恩氏からの親書を8日に受け取ったと公表。「金委員長は米韓演習が終わればすぐに会って交渉を始めたいと言っている」とツイッターで明かした。米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は21日にソウルで韓国高官と相次ぎ会談し、北朝鮮への対応を話し合う。

北朝鮮は29日に最高人民会議(国会に相当)を開く予定で、今後の外交姿勢を含む重要方針を示す可能性もある。

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