広島土砂災害5年 被災地で追悼の祈り、防災へ決意新た

2019/8/20 11:33
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追悼献花式で犠牲者の冥福を祈り手を合わせる参列者(20日午前、広島市安佐南区)

追悼献花式で犠牲者の冥福を祈り手を合わせる参列者(20日午前、広島市安佐南区)

災害関連死を含め77人が亡くなった2014年8月の広島土砂災害から5年となった20日、被災地で住民や遺族が追悼の祈りをささげた。災害当時、避難所だった広島市安佐南区の梅林小学校で午前9時から開かれた追悼献花式には雨の中、住民ら約40人が参列した。

参列した松井一実市長は「この災害を教訓に誰もが安全安心に暮らせる町の実現に向け、防災整備を着実に推進する」とあいさつし、防災対策を強化する決意を語った。

75歳だった母が犠牲になり、自身も避難所で2~3カ月生活していたという広島市の会社員、原田和行さん(55)は「当時は激しい雨だったが、まさか土砂崩れが起きるとは思わなかった。時間がたつほど悲しみが強まってくる」と述べた。

梅林学区は広島土砂災害で多くの死者を出したが、18年7月の西日本豪雨では犠牲者はいなかった。自主防災会連合会会長の菅原辰幸さん(72)は地域一帯となって防災に取り組んだ成果とした上で、「5年前を忘れずに教訓を継承していきたい」と話した。

被災地に並ぶ灯籠の前で、犠牲者の冥福を祈り黙とうする人たち(20日未明、広島市安佐南区)

被災地に並ぶ灯籠の前で、犠牲者の冥福を祈り黙とうする人たち(20日未明、広島市安佐南区)

広島市安佐南区の住宅地にある慰霊碑には20日未明から花がささげられ、灯籠がともされた。付近では住民らが集まって犠牲者の冥福を祈った。

幼い命を身ごもっていた娘の湯浅みなみさん(当時28)夫婦を亡くした会社員、若松順二さん(56)と妻の直美さん(57)は災害発生時刻の午前2時半、被災現場に足を運んだ。

「5年たっても気持ちは変わらない。寂しい」。毎年この日に来るという順二さんらは手を合わせ、静かに祈った。娘夫婦が犠牲になったアパートは山裾にあり、土石流に襲われた。

順二さんは「危険な地域としてアパートが建っていなかったら娘夫婦も住まなかった。そうしたら助かったのでは、といまだに思うことがある」と悔しさをにじませた。

慰霊碑の近くの住宅跡地では、灯籠約350個が災害の起きた日を示す「820」の形に並べられた。「みなさんのことは決して忘れません」「お母さん、会いたいです」。辺りにはメッセージや子どもたちの絵も置かれた。町内会会長の財原一夫さん(71)は「亡くなられた方の顔や、楽しかった思い出がよみがえってくる」と悼んだ。

犠牲者の冥福を祈り、慰霊碑の前で手を合わせる人たち(20日未明、広島市安佐南区)

犠牲者の冥福を祈り、慰霊碑の前で手を合わせる人たち(20日未明、広島市安佐南区)

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