英首相、アイルランド問題の削除要請 離脱巡りEUに

2019/8/20 5:58
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【ロンドン=中島裕介】英国のジョンソン首相は19日、欧州連合(EU)のトゥスク大統領に書簡を送り、現行の離脱協定案からアイルランド国境問題の安全策(バックストップ)を削除するよう要請した。安全策を削除すれば英議会での承認の可能性が高いとの認識も示した。そのうえで国境問題の解決に向けた議論は、円滑に離脱した場合に発生する「移行期間」へ先送りすべきだとの見解も示した。

ジョンソン英首相のEUへの要求は、離脱協定案の修正を伴うためEUが応じるかは不透明だ=ロイター

ただ、安全策の削除は協定案の修正にあたる。EUは協定案の再交渉を拒否しており、現段階ではEUがジョンソン氏の要求に応じる可能性は低そうだ。

国境問題の安全策は北アイルランドで過去におきた紛争の再発防止を目的に、離脱後もアイルランド島に物理的な国境を復活させないための対策だ。だが英国がEUの関税同盟に残留し続ける可能性がある内容のため、英議会は「EUルールに縛られ続ける」と協定案を3回否決した。

ジョンソン氏は書簡で「安全策は反民主的で英国の主権に矛盾が生じる」と指摘。「我々は柔軟で創造的な(他の)解決策を見つけねばならない」とEUに呼びかけた。

英・EUが条件面で合意して離脱すれば「合意なき離脱」を回避し、2020年末まで現状の経済関係が続く「移行期間」に入る。このためジョンソン氏はひとまず英・EUの合意を成立させるために、現行の安全策の代わりに「移行期間中に国境問題を解決する」との約束を盛り込む策を提案した。ただジョンソン氏の提案は協定案の修正を伴う上に懸案の先送りにすぎず、EUの理解を得るのは難しそうだ。

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