2019年9月20日(金)

金港青果 ニーズ聞き取り、農家に栽培働きかけ
Biz Movement

2019/8/20 6:00
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横浜中央卸売市場本場(横浜市神奈川区)にある青果卸、金港青果は2017年12月、新会社を設立した。従来の青果卸の枠を越え、生産者(農家)と顧客双方のニーズをくみ取った新しい流通形態を目指す。

アグリ・ヌーヴが契約する農家が栽培するパクチー(横浜市)

会社名は「アグリ・ヌーヴ」。1947年に設立された金港青果が全額出資し、設立した。同社と資本業務提携を結ぶ飲食チェーンのグルメ杵屋が運営に協力している。

青果卸の取引は生産地から農作物を仕入れ、必要とする仲卸やスーパーに販売する。どんな農作物を栽培するかは農家や農協が決めることが多い。これに対しアグリ社は、飲食店などから「こんな野菜が欲しい」といったニーズを聞き取り、生産者側に働きかける。

小売店やレストランが市場を介さず、契約農家と直接取引するケースは珍しくない。ただアグリ社の場合は公設市場を通すことにより、残留農薬の検査や決済システムなど既存の仕組みを利用できる点がメリットという。金港青果の小林優一経営企画室長は「一般に流通しない希少な農作物を安全・安心な仕組みで届けられる」と強調する。

アグリ社が扱う農作物の柱は、エスニック料理に使われるパクチーだ。安定供給が難しく、価格変動も大きかった。現在横浜市や福岡県豊前市、愛媛県西条市など全国5カ所の農場と契約し、年4トンを生産している。

「タイナス」と呼ばれるマクワプロやトウガラシの一種プリッキーヌなども手掛ける。「需要があれば畝1つ分でも栽培してもらう」(アグリ社の仁科和広営業部長)。広く知られていない農作物を発掘して栽培を提案したり、生産指導したりもしている。

農産物に付加価値をつける取り組みにも注力する。農業分野への障害者の就労を促す政府の施策(農福連携)に注目し、契約する農場で生産工程に障害者がかかわったことを示す新規格の取得を目指す。

人口減少と担い手の高齢化、グローバル化など日本の農業を取り巻く状況は厳しい。アグリ社では配送の効率化や野菜の原価を算定するシステムの開発も進めるという。仁科部長は「若い人が目指せるような『もうかる農業』をつくるため実験的な挑戦をしたい」と意気込む。(横浜支局長 石川淳一)

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