2019年9月22日(日)

「中国版テスラ」のNIO、1000人削減 上場から1年

アジアBiz
2019/8/19 19:30
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【広州=川上尚志】中国の有力な新興電気自動車(EV)メーカーの上海蔚来汽車(NIO)が、大幅な人員削減に踏み切ったことが19日までに分かった。4月から8月までに全従業員数の1割にあたる約1千人を減らした。主力車の販売が苦戦するほか、中国政府が6月からEVへの補助金を大きく減らしたことも影響した。「中国版テスラ」と呼ばれ、注目を集めた同社の苦境は、中国のEV市場の今後の成長にも影を落としそうだ。

NIOのEV販売は苦戦が強まっている(4月、上海市での展示)=ロイター

NIOは14年設立で18年9月にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場したばかり。中国の新興EVメーカーの中でも有望企業として注目されてきた。ただ今月中旬に北京市で開かれたエコカー関連のイベントで、李斌(ウィリアム・リー)最高経営責任者(CEO)は「(組織の)最適化と運営効率を高めるため人員削減を実施した」と明らかにした。3月末の従業員数は約9800人だったが、約1000人減り、現在は約8800人になったという。

リストラの背景にあるのはEV販売の苦戦がある。NIOの主力EV「ES8」の販売台数は18年10~12月に約8千台だった。だが、19年1~3月には約4千台、4~6月には約3千台と減り続けている。さらに駐車中の車両から発火する事故が最近相次ぎ、6月下旬には約4800台のES8をリコールすると発表し、7月以降の販売も苦戦しているとみられる。

中国政府のEVに対する補助金政策も逆風だ。政府はこれまで多額の補助金でEV市場の拡大を後押ししてきた。だが、6月から最大で半分近く補助金を減らした。この結果、中国全体のEVやプラグインハイブリッド車(PHV)など「新エネルギー車」の7月の販売台数は前年同月比で約5%減り、中国メディアによると「数年ぶりのマイナス」になった。EV最大手の比亜迪(BYD)も7月の販売台数(ガソリン車も含む)は17%減と大きく落ち込んだ。

NIOの苦境が明らかになったことで、今後は、有力視されてきた他の中国新興EVメーカーの成長性も改めて注目され、厳しい目が向けられる可能性がある。

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