2019年9月22日(日)

在欧の日本人舞台美術家が手掛けるホールオペラ

文化往来
2019/8/23 12:27
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欧州で演劇やダンスなどの舞台作品の美術や照明などを数多く手掛けるベルギー在住の舞台美術家、針生康(はりう・しずか)が英国の現代作曲家、ジョージ・ベンジャミンのオペラ「リトゥン・オン・スキン」(日本初演)で舞台演出を担当する。初めてオペラに挑む針生は「コンサートホールでも視覚的演出が楽しめる舞台にする」と意気込む。公演は8月28、29日、サントリーホール(東京・港)で。

舞台美術家の針生康が総合演出するオペラ「リトゥン・オン・スキン」の舞台イメージ(サントリーホール)(C)Shizuka Hariu

舞台美術家の針生康が総合演出するオペラ「リトゥン・オン・スキン」の舞台イメージ(サントリーホール)(C)Shizuka Hariu

「リトゥン・オン・スキン」はベンジャミンが2012年に発表した現代オペラ。中世からフランスに伝わる昔話をもとに、裕福な領主、写本彩飾師の少年、領主の妻を巡る複雑な人間模様を描く。欧州の劇場では現代の名作として頻繁に上演されながら、日本での上演実績はなかった。新国立劇場オペラ芸術監督を務め、欧州で長年活動する指揮者の大野和士が「21世紀最高のオペラ。上演する意味がある」として企画した。1975年生まれの針生は舞台美術の勉強のために欧州に留学。03年、当時関わりのあったベルギーのモネ劇場で大野の指揮作品にも携わった。今回大野が針生に美術、衣装、照明、映像を含めた総合演出を依頼した。

サントリーホールは舞台前方にオーケストラピットがなく、通常のオペラ劇場とは全く異なる構造だ。「オーケストラが舞台上にいるので舞台構成は難しかった。奏者と舞台を共存させることを意識した」といい、高さ3.6メートル、幅6メートルの大型スクリーンに中世フランスの城を意識した映像を映し出すとともに、白とグレーの舞台、草原風景を思わせる小道具などを有機的に組み合わせる。針生は「時に具体的に、時に抽象的にオペラの世界観を表現したい」と話す。指揮は大野、演奏は東京都交響楽団。

(岩崎貴行)

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