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「日銀の金融政策を解説」[映像あり]

ソニーフィナンシャルホールディングス 菅野 雅明

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FOMCを読む[映像あり]

三菱UFJ銀行 鈴木 敏之

9月19日(木)08:30

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豊島逸夫の金のつぶやき

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「株式評論家」トランプ氏、解説の矛盾

2019/8/19 12:23
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先週15日にウォルマートが事前の予想を上回る好決算を発表するや、トランプ米大統領はすかさず称賛のツイートを書き込んだ。「米国動向を示す偉大な存在のウォルマートが、素晴らしい(決算)数字を発表した。我が国は他国と違い、絶好調なのだ」

16日には、8月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)が前月の98.4から92.1と7カ月ぶりの水準に落ち込んだ。すかさず記者団に問われると「消費はとても良い」と反論した。

いっぽうでトランプ氏は、米連邦準備理事会(FRB)批判をエスカレートさせ、パウエルFRB議長を名指しして利下げ圧力を強める。ここに、トランプ氏のかかえるジレンマがあらわになる。

国内総生産(GDP)のなかで最大項目の「消費」が強ければ、9月に0.5%の利下げなど正当化できない。米中貿易協議については「もし進展なら株価は上がるだろうが、いまだ(中国側の要求を)受け入れる準備はない」と記者団に語っている。苦しい釈明である。

株価を政権の通信簿と位置づけてきた手前、弱気の見通しは語れない。とはいえ、中国に対して安易な妥協の姿勢も見せられない。

更に、長短金利の逆転現象について質問されると「不況の前兆といっても、2年ほど先の話だろう」と答えた。来年の大統領選挙まで米国経済が持ちこたえれば良し、との本音が透ける。

米主要経済紙は、トランプ氏がホワイトハウスに閉じこもり相場モニター画面にくぎ付けになり、株価が急落すると、経済顧問たちに「なぜだ!」と問い詰めると報道している。

その経済司令塔であるクドロー国家経済会議委員長は18日、日曜日の長寿報道番組に生出演して「楽観論を恐れるな」と繰り返し強調した。市場が経済に楽観的になると、利下げ見通しが後退して株が売られることにくぎをさす発言と見られる。

さらに先週は、トランプ氏が株急落で、米国の大手3銀行のトップと電話で意見交換したことも明らかになった。議論は米経済、個人消費そして金融政策に及んだという。

その金融政策をつかさどる世界の中央銀行首脳たちが、今週はワイオミング州の避暑地に集う。恒例のジャクソンホール・シンポジウム開催だ。今週の市場の最大の関心事にもなっている。

今年のテーマは「金融政策への挑戦」。トランプ氏は欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も名指しでユーロ安誘導と批判しており、まさに金融政策へ挑戦的言動を繰り返す。おりから、MMT(現代貨幣理論)議論も市場では沸いている。ジム・ロジャーズ氏などは、筋金入りの「FRB不要論者」だ。

それは極論にしても、FRBへの不信感は市場に根強い。イエレン時代と異なり、金融政策の次の一手が読めないからである。そもそもパウエル氏自ら「金融政策は暗闇を手探りで歩くようなもの」と語るほどだ。

ドルの代替通貨とされる金の高騰なども、米金融政策への不信を映す現象である。金を買うという投資行動は、米ドルへの不信任投票なのだ。

トランプ氏は「米ドルはパワフル(力強い)だが、他国が通貨安誘導するのは不公平だ」と語る。米利下げにもかかわらず、ドルの総合的な価値を示すドルインデックスは98の大台を超え、対円を除き、趨勢はドル高基調だ。しかし、基軸通貨ドルへの信認は薄れている。金利差を追う投資家はドルを買うが、決して安心して長期にドルを保有するわけではない。

ヘッジファンドはドル買いに走るが、世界の中央銀行の間では、外貨準備としてのドルを売って金への乗り換えが目立つ。トランプ氏の解説に、市場は納得できず、疑心暗鬼を募らせ、その結果、ボラティリティー(予想変動率)だけが高い状況が続きそうだ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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