中国政府、深圳の金融機能強化で新方針 香港に圧力

2019/8/18 21:35
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深圳のスポーツセンターでは18日も中国の武装警察による訓練が実施された(広東省深圳)=AP

深圳のスポーツセンターでは18日も中国の武装警察による訓練が実施された(広東省深圳)=AP

【香港=比奈田悠佑】中国政府は18日、広東省深圳市の金融機能の強化などで新方針を打ち出した。隣接する香港の国際都市のポジションを深圳が取って代わろうとする内容で、「逃亡犯条例」改正案をきっかけにしたデモが続く香港をけん制する狙いがあるとみられる。深圳では人民武装警察部隊(武警)が制圧訓練を続けており、経済と武力の両面で圧力を強める。

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中国国務院(政府)が金融業の事業環境の整備などを柱とした深圳の新しい経済発展策を打ち出したと中国メディアが18日一斉に報じた。国際基準の法令整備のほか、投資や企業買収のルールの改善を進めてビジネス環境を整える。深圳に欧米など外資企業を呼び込む狙いだ。

また医療体制や職業訓練を含む教育システムも向上させるほか、次世代通信規格「5G」などインフラ整備も加速する。域外の人材の出入りや居住でも利便性を高めるという。いわば海外からの投資を集めてきた香港のお株を奪う取り組みだ。

経済面での圧力とともに武力による制圧もちらつかせている。中国軍の最高指導機関、中央軍事委員会の指揮下にある武警は香港の目と鼻の先の深圳に集結。香港人が日常的に使う広東語の掛け声を張り上げながら制圧訓練を繰り返している。

中国政府は香港の抗議活動が、共産党体制の転覆を狙ったものとする警戒も強め始めている。香港の有力紙「明報」は、中国政府首脳が香港の一連の活動を、大衆運動が独裁政権を倒す「カラー革命」と位置づけたと報じた。

カラー革命とは、2000年代のウクライナの「オレンジ革命」など東欧や中東の民主化運動を指す。ネットなどを通じて広がった大衆運動が、次々と独裁政権を打倒した。

香港問題をカラー革命とみなすことは中国が「デモ隊の最終目標は共産党の一党体制の転覆にある」と結論づけた表れだ。中国共産党機関紙の人民日報も15日、香港国際空港を一時占拠したデモ隊などを指し「彼らが真にやろうとしているのは『カラー革命』だ」と論評していた。

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