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経営破綻の英鉄鋼2位、トルコ企業が買収へ

【ロンドン=佐竹実】トルコの複合企業オヤックは16日、英鉄鋼2位のブリティッシュ・スチールを買収する方向で合意したと発表した。ブリティッシュ・スチールは英国の欧州連合(EU)離脱に伴う不透明感で受注が減少したことなどから5月に経営破綻し、売却先を探していた。年内に手続きを終える計画だが、鉄鋼業界は世界的に供給過剰で欧州では減産の動きが出ており、再建には不透明さが残る。

オヤック傘下のアタエル・ホールディングがこのほど買収に向けた独占交渉権を得た。買収額は今後詰めるが、英地元報道によるとアタエル側は買収額として7000万ポンド(約91億円)を提示したという。オヤックによると、ブリティッシュ・スチールの買収には鉄鋼の同業など約80社が興味を示していた。

オヤックはトルコ軍の年金基金を母体とする有力複合企業で、エネルギーや自動車、セメント、農業など幅広く手がける。傘下のアタエルはトルコ鉄鋼最大手エルデミルの株式の半分近くを持ち、買収で相乗効果が見込めそうだ。

ブリティッシュ・スチールは旧英国有企業の流れをくむ名門企業だ。年産450万トンの生産能力を持ち、5千人の従業員を抱える。事業継続に一定のメドが立ち、英業界団体などは歓迎のコメントを出した。オヤックは「ブリティッシュ・スチールの買収により、付加価値の高い製品をより効率的に生産する体制を強化できる」としている。

ただ再建は容易ではなさそうだ。英国はEU離脱で不透明感が増し、国内の自動車生産は低調だ。鉄鋼需要の落ち込みがブリティッシュ・スチール経営破綻の要因となった。今後、EUとの離脱協定を批准できないまま10月末に「合意なき離脱」となれば、さらに経済が混乱しかねない。

欧州では鉄鋼大手の苦戦が続いている。鉄鋼世界最大手の欧州アルセロール・ミタルは5月に欧州域内での減産を拡大すると発表した。自動車向けなどの需要が弱いだけでなく、ロシア、トルコなど域外からの安価な鋼材の輸入が増えていることが背景にある。オヤック傘下でブリティッシュ・スチールが再建に動けば供給過剰の解消が遅れ、同業他社の警戒が強まる可能性がある。

ブリティッシュ・スチールは1999年にオランダの同業と合併した後、2007年にインドのタタ製鉄の傘下に入った。だが赤字が続いたことなどからタタ製鉄が手放し、16年に英投資会社が1ポンドで買い取っていた。

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