放火30秒で煙充満、避難困難か 京アニ事件で京大解析

2019/8/17 7:13
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京都アニメーションのスタジオ(京都市)で起きた放火殺人事件で、出火から30秒後には3階建ての建物内の大部分に高温の煙が充満したとみられることが京都大防災研究所の解析で分かった。事件は18日で発生から1カ月。死亡した同社社員35人のうち31人は2階以上に集中しており、わずかな時間で逃げ場を失った状況が浮かんだ。

煙が上がる「京都アニメーション」のスタジオ(7月18日、京都市伏見区)

事件は7月18日午前10時半ごろに発生。捜査関係者などによると、青葉真司容疑者(41)=殺人容疑などで逮捕状=はスタジオ1階に侵入し、ガソリンをまいて火を放った後に爆発が起こったとみられる。

同研究所の西野智研准教授(建築火災安全工学)は、建物を外側から調べて確認した損傷状況や報道された京都府警の現場検証の結果などを踏まえ、火元を1階のらせん階段付近と仮定。出火から30秒後までの煙の広がりや温度をコンピューターでシミュレーションし、1秒ごとに試算した。

分析によると、出火から5秒でらせん階段に大量の煙が流入して3階の天井まで上昇。15秒後には屋上に通じる階段にも充満し、3階フロアの大部分に立ちこめた。30秒後には2階から上の空間の大半が煙に包まれ、温度は高いところで約330度、低いところでも約90度を超えた。

事件当時、建物内には同社社員70人がいた。3階から屋上へ続く階段では20人が亡くなっており、屋上に逃げた人が途中で有害成分を含む煙にさらされ、避難が難しい状態に陥ったとみている。

西野准教授は、今回の分析結果から「らせん階段が煙の拡散の主要な経路となり、3階は出火から十数秒で極めて危険な状態になったと考えられる」と結論づけている。

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