グローバル企業 グーグルも万能じゃない
出身起業家5人の視点 (日経STARTUP X)
米グーグルは持ち前の突破力で世界の市場を開拓し続けている。だが、巨大なグローバル企業に成長したからこそ、手を出さない事業分野もある。動画配信サイト「Paravi(パラビ)」の日経オリジナル番組「日経STARTUP X」が開催した公開収録イベント「ex-Googler起業家大集合 僕らがグーグルで学んだこと」では、同社出身のスタートアップ経営者5人が登壇し、内側から見たグーグルの強さ、同じIT(情報技術)事業者としてのグーグルの立ち位置などについて語り合った。
ディスカッションにはfreee(東京・品川)の佐々木大輔社長、フライウィール(同・港)の横山直人社長のほか、クービック(同・品川)の倉岡寛社長、THECOO(同・渋谷)の平良真人社長、hey(同・渋谷)の佐藤裕介社長が参加。折に触れ助言し合うなど、グーグル出身者同士のつながりが現在の事業にも生かされていることをそれぞれが指摘した。

佐藤社長は米国での事業を果敢に海外に移植していく、グーグルのパワフルな世界展開の手法に学ぶところが大きいと話す。横山社長は元同僚が世界中にいることが自社の海外展開の可能性につながるという、グローバル企業の出身者ならではの利点を強調した。一方で佐々木社長は、グーグルが巨大企業であるがゆえに手を出さない分野も多いと指摘。迅速な多言語展開が難しい事業などはその一例で、「グーグルも決して万能ではない」と語った。
(2019年7月24日 日経渋谷センターにて収録)