2019年9月15日(日)

英領ジブラルタル当局、拿捕のイランタンカーを解放

イラン緊迫
2019/8/16 0:39 (2019/8/16 12:36更新)
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7月に英領ジブラルタル沖で拿捕され、停泊するイランのタンカー=ロイター

7月に英領ジブラルタル沖で拿捕され、停泊するイランのタンカー=ロイター

【ロンドン=中島裕介】英領ジブラルタルの自治政府は15日、7月に同当局が拿捕(だほ)したイランの石油タンカーを解放したと発表した。タンカーは、欧州連合(EU)の制裁に違反してシリアへ原油を輸送していた疑いで拘束されていたが、イラン側からシリアへ輸送しない確約が取れたため解放を決めた。悪化していた英・イラン関係が改善に向かう可能性がありそうだ。

イランのタンカーは地中海の港に向かうもようだ。このタンカーは7月4日にジブラルタル沖で自治政府当局と英海兵隊により拿捕された。英側は拘束の理由をEU制裁への違反と説明したが、イラン側は「違法で受け入れられない」と強く批判した。同19日にはイランの革命防衛隊が報復のような形で、英石油タンカーを拿捕するなど両国関係は急速に悪化していた。

自治政府の15日の声明によると、13日にイラン側が「もし、タンカーが解放されれば、シリアを目的地にしない」と確約した。このためジブラルタルは拘束を続ける法的な理由がなくなったとして解放を決めた。英領当局がイランのタンカーを解放したことで、イラン側も解放を検討する可能性があり、タンカーを巡る両国の問題は解決に向かう兆しが出てきた。

イランのザリフ外相は15日、「事実は変えられない。拘束は100%違法だった」とツイッターに投稿し、決定は当然だとの認識を示した。

米国務省は15日に声明を公表し、解放されたイランのタンカーは「シリアに石油を運ぶことを通じ、(米がテロ組織に指定した)イラン革命防衛隊を支援していた」と非難した。ジブラルタル自治政府の対応には言及しなかった。

核合意を離脱してイランへの経済制裁を強める米国は、ジブラルタル側に拘束延長を要請していた。自治政府は声明で「米司法省から新たな法的手続きによる拘留を始めるべきだとの要請があった」と認めている。

英国は5日に中東ホルムズ海峡の航行の安全確保のために米国が呼びかけた「有志連合」に参加すると表明した。有志連合構想に対しては、トランプ政権主導による対イラン包囲網との見方も強い。英外務省は15日、タンカー解放を受けた声明で「商用船舶の航行の自由は尊重されるべきだ」と述べ、有志連合構想の参加方針には変更がないことをにじませた。

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