韓国大統領、南北融和で日本を克服 「45年に統一を」

北朝鮮
2019/8/15 19:30
保存
共有
印刷
その他

「光復節」の記念式典で演説する文在寅大統領(15日、天安市)=ロイター

「光復節」の記念式典で演説する文在寅大統領(15日、天安市)=ロイター

【ソウル=恩地洋介】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日の演説で、南北経済協力の推進に強い意欲を示した。自身の任期である2022年までに朝鮮半島の非核化を確固にするなどと宣言した。南北協力を経済発展の起爆剤と位置づけ、対立を深める日本を克服する決意を示す狙いとみられる。ただ、北朝鮮の韓国への挑発姿勢は続き、南北融和に対する国民の関心は冷めつつある。

【関連記事】北朝鮮が文氏の演説を批判 「再び対座する考えない」

文氏は日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の演説で、「平和経済の構築」という言葉を繰り返した。朝鮮半島の完全な非核化を前提に「北朝鮮が核ではない経済と繁栄を選択できるよう対話と協力を続ける」とした。

文氏は、南北協力で人口8千万人の単一市場を創設し統一に至れば、世界経済6位圏に浮揚できると強調した。釜山から北朝鮮の羅津を経てロシアをつなぐ航路や、開城など北朝鮮内の先端工業団地の開発を挙げた。低成長と少子高齢化の解決にもつながると指摘し「韓国経済の新たな成長エンジンをつくる」と訴えた。32年夏季五輪は南北で共同開催し、45年には統一をめざすという。

日本に対しては「北朝鮮との対話が進む現実を直視し、イデオロギーにとらわれ孤立しないことを望む」と注文を付けた。韓国メディアは、文氏が披露した経済構想に関して「日本の輸出規制で迫られた国家経済の危機を、必ず乗り越えるという『克日』の意思を示した」(聯合ニュース)と解説した。

文氏は北朝鮮に向け「不満があっても対話を難しくすることは望ましくない」とし、米国との非核化交渉に集中するよう呼びかけた。文政権内には南部の釜山で11月に開く「韓国・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議」に金正恩(キム・ジョンウン)委員長を招く構想もある。

ただ、北朝鮮は2月末にハノイで開いた米朝首脳会談が決裂して以降、仲介役を果たし切れていない韓国に冷淡な態度をとっている。5月から発射を繰り返す新型の短距離ミサイルなどは韓国を狙った兵器だ。北朝鮮外務省の米国担当局長が11日に出した談話は、米韓合同軍事演習を実施した韓国を「おびえた犬」などと口汚く非難した。

南北融和を巡る韓国国民の関心も低くなっている。公営放送のKBSが8月初旬に実施した意識調査によると、北朝鮮の核問題解決に否定的な見通しを持つ人は60%と、18年比で16ポイント増えた。文政権の対北朝鮮政策に「賛成」と答えた人は同18ポイント減の59%、「反対」は同18ポイント増の41%だった。

【関連記事】
韓国大統領「日本が対話なら協力」 光復節で批判抑制
トランプ氏、日韓首脳をやゆ 金正恩氏と友好アピール
トランプ氏発言、北朝鮮の挑発助長 首脳会談に期待
日韓、対立で失うもの 漁夫の利は中朝に
輸出管理問題の本質 韓国「迂回」に認識甘く
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]