イタリア連立与党、対立続く 内閣不信任案採決見送り

2019/8/14 20:16
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【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリアの連立与党内の対立が続いている。議会上院は13日、連立与党の一つ、極右「同盟」が提出した内閣不信任案の採決をひとまず見送ると決めた。高い支持率を背景に連立解消に動いた同盟に対し、連立相手の左派「五つ星運動」が野党と組んで総選挙につながる不信任案に反対する構えをみせたためだ。

コンテ首相(中)は、対立する同盟のサルビーニ党首(右)と五つ星運動のディマイオ党首(左)に挟まれ、苦しい政権運営が続く=ロイター

「イタリアは確かさや透明性を望んでいる。すぐに選挙をすべきだ」。13日、上院議会で演説した同盟の党首で副首相のサルビーニ氏はこう強調した。同盟は連立相手の五つ星と政策課題で衝突を繰り返し、これ以上の政権運営は困難と判断。9日に内閣不信任案を提出した。

13日に採決する日程を決める見通しだったが、五つ星や野党の民主党が拒否し、見送りになった。足元の同盟の支持率は約38%と圧倒的に高い。もし総選挙となれば同盟が躍進するのは確実なため、五つ星や民主党は早急な総選挙を回避したかったとみられる。20日にコンテ首相は政権危機について演説する。

ただ、与党内の意見対立は依然残ったままだ。同盟は看板公約の大型減税の実施を主張する一方、五つ星は2020年に予定される付加価値税(消費税に相当)の引き上げを回避するための代替措置が優先と訴える。景気刺激策を巡る意見のかい離は大きく、20年の予算編成作業は難航する可能性が高い。政権の内紛は輸出の低迷や高い失業率にあえぐイタリア経済の足かせになりかねない。

同盟がコンテ内閣の退陣を迫る中、新たな与党の枠組みを探る動きも出ている。18年3月の総選挙で惨敗した民主党の元首相のレンツィ氏は13日、「団結が必要だ。新しいページをめくるチャンスがきた」と述べ、五つ星との連携に意欲を示した。だが、五つ星の党首で副首相のディマイオ氏は「レンツィ氏とは組まない」と拒否。今後、与野党の駆け引きは激しくなりそうだ。

当面、金融市場は神経質な展開となる可能性が高い。ここ1週間、イタリアの10年物国債利回りは乱高下し、足元は1.6%前後で推移している。伊政局の混乱が続けば、売り圧力は一段と強くなりそうだ。

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