2019年9月23日(月)

エビ養殖の廃棄物で発電、九大が燃料電池 効率6割超

2019/8/14 18:44
保存
共有
印刷
その他

九州大学はベトナムで食品廃棄物から抽出したバイオガスから電気を作り出す燃料電池を実証実験し、6割を超える発電効率を達成した。実用化できれば、新興国で水産業や農業で排出される廃棄物を有効活用し、電力の安定供給が期待できる。今後発電効率を高め、電池を搭載した装置をベトナムの都市部などで販売することも視野に入れている。

エビの養殖で発生する廃棄物から発生するガスを利用する(ベトナム南部)

バイオマスガスから発電する燃料電池を開発した

九大の白鳥祐介准教授らは燃料電池部品を製造するマグネクス(東京都立川市)などと協力し、「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」という電池を開発した。昨年からベトナム南部ベンチェ省でSOFCの実証実験を進めている。電源となるバイオガスはエビの養殖で発生したヘドロやサトウキビの搾りかすなどを発酵させて作る。

バイオガスは燃やして発電するのが一般的だが、ガスの持つ化学エネルギーが運動エネルギーなどに変換されるため、発電効率は2~3割にとどまっていた。これに対しSOFCはガスに含まれるメタンや二酸化炭素(CO2)から水素などを取り出し、直接電極の反応に使うため、効率が高い。

今回は電池のセルを積み重ねて出力を高め、電池の中に不純物がたまらないように改良。世界最高水準の62.5%の発電効率を達成した。

ベトナム南部ではエビ養殖でヘドロが発生し、河川の汚染が問題になっている。一方で経済成長で電力需要が高まっており、火力発電に依存しない電力供給体制の構築も求められている。

実験や研究は科学技術振興機構などの助成を受けており、白鳥准教授らはベトナム国家大学などと連携しながら、実用化を目指す。(荒牧寛人)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。