2019年8月20日(火)

香港デモ隊の記者暴行「テロに近い行為」 中国が非難

中国・台湾
2019/8/14 15:17
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【北京=高橋哲史】中国国務院(政府)の香港マカオ事務弁公室は14日、香港国際空港で中国紙の記者がデモ隊の一部から暴行を受けた問題について「ほぼテロに近い行為であり、最も強烈に非難する」との声明を発表した。習近平(シー・ジンピン)指導部は過激化する香港のデモ隊に強硬姿勢を強めている。

13日夜にデモ隊の一部から暴行を受けたのは、中国の公安関係者とみられる男性と中国共産党系の環球時報に所属する記者。声明は「香港の過激な暴力分子は完全に法律、道徳、人間としての最低ラインを突破した」と厳しく批判した。

環球時報の記者らは報道陣が身につけるベストを着てデモ隊を撮影していたところ、警察関係者と疑われて結束バンドで拘束された。暴行を受ける場面の映像は、中国の国営メディアも繰り返し放映している。

香港マカオ事務弁公室の声明は「彼らの行為は香港の国際的なイメージを著しく損ない、中国本土の広範な同胞の感情を傷つけた」と訴えた。そのうえで「我々は香港警察と司法機関が果断に法を執行し、迅速に違法な犯罪分子を捕まえるのを支持する」と強調した。

中国本土の一般市民は一般的に香港住民に良い感情を持っていない。かつて本土よりはるかに豊かだった香港人は、いまも本土の住民を下に見ているとの思いが強いからだ。中国紙の記者が多くのデモ参加者に囲まれて暴行を受ける衝撃的な映像は、中国の市民が抱く「反香港」感情に火をつける可能性がある。

香港国際空港で衝突する警察とデモ隊(13日)=ロイター

香港国際空港で衝突する警察とデモ隊(13日)=ロイター

中国本土では当局が香港のデモを報じるNHKやCNNなどの海外放送を厳しく検閲しており、関連のニュースが始まると画面が真っ暗になる状況が続いてきた。

しかし、香港国際空港が抗議活動で混乱するようすは、そのまま放映される例が増えている。国際金融都市である香港の玄関口がマヒする事態に至り、海外メディアにもデモ隊の過激な行動を必ずしも支持しない論調が出始めたとの判断があるもようだ。

環球時報の電子版は12日、香港に隣接する広東省の深圳に人民武装警察部隊(武警)が集結している映像を流した。実質的な軍の投入は香港の高度な自治を約束した「一国二制度」の崩壊を意味し、習指導部も避けたいのが本音だ。

しかし、抗議活動がさらに過激になれば、香港警察だけでは事態を収拾できなくなるおそれがある。中国本土で反香港の感情が高まり、国際世論もデモ隊に批判的になってきたと判断すれば、武警の香港介入が現実味を増すかもしれない。

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