アルゼンチン通貨下落続く 6%安、左派政権警戒で

2019/8/14 6:14
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通貨ペソが大幅下落する中、両替商の店頭でレートを確認する男性(12日、ブエノスアイレス)=ロイター

通貨ペソが大幅下落する中、両替商の店頭でレートを確認する男性(12日、ブエノスアイレス)=ロイター

【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチンの通貨安が止まらない。株・通貨・債券の同時安が発生した「ルネス・ネグロ(暗黒の月曜日)」から一夜明けた13日、通貨ペソは外国為替市場で前日比約6%安の1ドル=55.57ペソで取引を終え、終値で過去最安値を更新した。10月の大統領選で左派政権誕生が現実味を帯びる中、市場の警戒感は増すばかりだ。

通貨下落のきっかけは11日に実施された大統領選の予備選だ。左派のアルベルト・フェルナンデス元首相が47%の得票率で現職のマウリシオ・マクリ大統領(60)に15ポイントの大差をつけたことで、「マクリ氏がひっくり返すのはほぼ不可能だ」(政治アナリストのラウル・アラゴン氏)と、市場では左派政権への回帰は避けられないとの見方が大勢を占めつつある。

中央銀行は利上げや為替介入でペソ安を食い止めようとするが、年初来の下落率は3割を超えた。市場が懸念するのが、当選の可能性が高くなってきたにもかかわらず、フェルナンデス氏に急進左派的な政策を改める気配がないことだ。

フェルナンデス氏は12日、市場の混乱は「政府が経済について真実を語らないからだ」とし、通貨下落の責任はマクリ政権にあると主張。13日も「マクリ氏は問題を解けなかっただけでなく、状況を悪化させた」と政権批判を繰り返した。

フェルナンデス氏は昨年4月に始まった通貨下落や年率50%を超える高インフレなど現在の経済低迷はすべてマクリ政権の新自由主義的な経済政策が原因だとして、年金や最低賃金の増額など、財政規律を無視したバラマキ策を掲げる。次期大統領の最有力候補が現実を踏まえた市場との対話に移る気配がないことがさらなる通貨売りを呼んでいる。

アルゼンチン中央銀行は12日、通貨防衛のため、政策金利に相当する基準金利を10%引き上げ、ドル売りペソ買いの為替介入も実施した。13日も為替介入を繰り返したが、通貨売りの圧力に押された。

一方、米中貿易戦争の緩和観測もあり、12日の市場で前週末比38%の下落となった主要株価指数メルバルは13日に前日比10.2%高の3万0344.56と反発して取引を終えた。

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