2019年9月19日(木)

工作機械受注、低迷続く 7月33%減の1012億円

2019/8/13 18:39
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景気の先行指標である工作機械受注の低迷が続いている。日本工作機械工業会(日工会)が13日発表した7月の受注額(速報値)は、前年同月比33.0%減の1012億円だった。6月に下回った好不況目安の1000億円はかろうじて確保したが、各社からは受注環境の厳しさを指摘する声が多い。米中貿易摩擦の緩和への道筋が見えない中、外需を中心とした消費減退で投資を足踏みする流れが止まらない。

全体の受注額が前年割れするのは10カ月連続。外需は28.2%減の600億円、内需は38.9%減の411億円だった。6月の全体受注額の確報値(37.9%減の989億円)と比べてやや増えたものの、低迷が長引いている。

全体受注額の1000億円は「利益を担保できる水準」(日工会の飯村幸生会長)としてきた。6月に続いての1000億円割れは避けられたが「一部のメーカーでは安値の受注攻勢が始まっている」(工作機械大手幹部)との声が出るなど楽観視するムードはない。

受注減の背景にあるのが外需を中心にした消費低迷だ。17~18年はスマートフォン向けの好況に沸いたが、その後に需要が減退。そこに米中摩擦の影響が出始め、一般機械も低迷した。中国や米国の自動車販売の低迷が続き、自動車メーカーや部品メーカーの投資意欲も減退している。

自動車向けに強いジェイテクトグループは42.5%減の35億円。「中国では民族系自動車メーカー関連の調子が悪かったが、ここに来て日系も悪くなっている」という。東芝機械は38.7%減の14億円。「国内の大型機械や中国向けの精密加工機など、特殊な用途の受注が入りにくい」とする。工作機械の主要部品であるベアリング国内最大手の日本精工の内山俊弘社長は「反転の時期が見えず下期の下振れは避けられない。何か起爆剤が必要だ」と語る。

その起爆剤として期待されるのが低迷しているスマホ関連の需要回復だ。オークマでは「(次世代通信規格)『5G』を見込んだ半導体関連の動きが出始めている」という。ただ米トランプ政権がスマホも対象になる対中制裁関税「第4弾」の発動を表明するなど、先行きは不透明だ。

イラン情勢や英国の欧州連合(EU)離脱などの不確定要素に加え直近の円高傾向も重なり「いつ、どこに投資するか決められない」(機械部品大手)との声が漏れる。世界情勢が不安定な中で回復への起爆剤もはっきりと見えず、業界は市況低迷の長期化を見据え始めている。

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