2019年8月21日(水)

増えるパワハラ相談 18年度の千葉県 労働紛争最多

南関東・静岡
2019/8/13 15:59
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千葉県内で労使間のトラブル関連の相談が増えている。千葉労働局の集計では、2018年度の民事上の労働紛争に関する相談件数は前の年度に比べて14%増の8162件にのぼり、過去最多を更新した。なかでも職場での嫌がらせやいじめなどパワーハラスメント(パワハラ)に関する相談の増加が目立ち、労働局も対応に追われている。

労働紛争に関する相談内容の内訳はパワハラを中心としたいじめや嫌がらせが件数全体の32%で最多。解雇(12%)、自己都合退職(12%)、労働条件の引き下げ(11%)が続く。いじめや嫌がらせの相談件数は前の年度に比べ21%増で、全体の伸び率を上回る。

千葉労働局の担当者は「転職に成功した労働者が以前の勤務先で受けたトラブルを相談するケースが目立つ」と話す。人手不足を背景に転職先の選択肢が増加し、パワハラを受けた職場を辞めやすくなったことで、被害者が泣き寝入りせずに済むようになったようだ。

相談にとどまらず、パワハラを受けた労働者が事業主に補償を訴えるケースも増加。いじめや嫌がらせに関し、労働局に助言や指導を求めたのは142件と前の年度に比べて27%増加した。弁護士、学識経験者らでつくる紛争調整委員会にあっせんを求めた件数も77件と45%増えた。

助言や指導、あっせんには法的な強制力はないが、持ち込まれた案件の4割で解決金の支払いなど問題解決に至っているという。

千葉労働局の労働紛争調整官は「最初はパワハラを認めなかった事業主が紛争調停委員から客観的な指摘を受け、認識を改めるケースが目立つ」と指摘。パワハラ防止に対する企業側の意識は高まっているが、具体的にどんな行為が該当するのか十分な理解が進んでいない現状がうかがえる。

5月に職場でのパワハラ防止を義務付ける関連法が成立し、今後企業は相談窓口の設置などを求められる。だが関連法は上下関係を背景としたパワハラは許されないと明記したが、行為そのものの禁止や罰則は盛り込んでいない。新法が効果を上げるには、企業が「何がパワハラか」を正確に理解し、問題の芽を見逃さない意識を職場に浸透させることが不可欠だ。(下村恭輝)

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