2019年9月15日(日)

対立の始まりは米原子炉 (イランと米国~不信の構図1)

イラン緊迫
2019/8/13 10:03
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イラン南部にあるブシェール原発=AP

イラン南部にあるブシェール原発=AP

イランの核開発を巡る同国と米国の対立が深刻だ。確認埋蔵量(英BP調べ)が原油で世界4位、天然ガスで同2位の資源大国イランが核開発に固執するのはなぜか。1979年の革命前、東西冷戦で西側陣営を率いた米国が同盟国に供給する石油を増やそうと、当時のイランの親米政権に原子力発電所の建設を持ちかけたのが始まりだった。

イランは58年、国際原子力機関(IAEA)に加盟し、67年には米国から研究用原子炉を導入した。南部ブシェールで74年、初の原発を当時の西ドイツ企業が着工した。革命で反米のイスラム政権ができると、ロシア企業が引き継ぎ、2013年に営業運転を始めた。

イランはウラン濃縮の目的を原発への燃料供給や医療用だと主張している。国内で膨らむ電力需要を原発でまかない、外貨を稼ぐ原油輸出を長く続ける狙いで、米国の当初方針と合致する。だが、米国は核爆弾の製造が本当の目的だと疑う。

在外イラン反体制派が02年、同国の秘密の核開発計画を暴露した。イランがIAEAに申告せず進めていた計画を米国は「軍事目的だ」と非難した。イランは「平和目的だ」と反論した。国連安全保障理事会は濃縮活動停止を求め、制裁決議を4回採択したが、イランは「(IAEA加盟国として)平和利用の権利がある」と応じなかった。

15年、当時のオバマ米政権は英独仏ロ中の5カ国とともにイランと同国の核開発を抑制する多国間合意をまとめた。この妥協案をトランプ米政権は批判し、18年に一方的な離脱を宣言した。

イランと米国の深い不信の背景を読み解く。

【イランと米国 不信の構図】
(2)「大悪魔」が内政干渉 親米政権への転覆が禍根
(3)大使館占拠が致命傷に 444日拘束、ホメイニ師容認
(4)革命の輸出に中東激震 米海兵隊宿舎へ自爆攻撃
(5)イラク崩壊で漁夫の利 シーア派実権、地中海へ
(6)7割が革命後世代 経済悪化で指導者批判も
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