世耕経産相「根拠が全く不明」 韓国の優遇除外に反論

韓国政府が12日、輸出管理上の優遇措置の対象国から日本を除外すると発表したことに対し、日本政府内では韓国を優遇対象国から除外したことへの事実上の報復措置との見方が出ている。世耕弘成経済産業相は13日、「根拠が全く不明だ」と反論した。韓国はこれまで日本側の措置が「世界貿易機関(WTO)協定に違反する」と訴えてきたが、今後は同様の主張が成り立たなくなる可能性もある。
世耕経産相は13日午前、ツイッターで「何を根拠に日本の輸出管理制度が(国際的な)輸出管理体制の基本原則にのっとっていないといえるのか、全く不明だ」と批判した。日本はこれまで適切な管理をしているため、韓国による除外は不当だと反論した形だ。
佐藤正久外務副大臣は12日、ツイッターで日本による輸出管理の厳格化への対抗措置であればWTO協定違反だとの認識をにじませた。そのうえで「どのような理由なのか細部確認する」とした。
韓国では日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」を15日に控えている。日本政府関係者は「その前に日本に対して強い姿勢を示す必要があったのではないか」と語った。
韓国側が協議に応じる姿勢を示していることについて、別の政府関係者は「協議する考えはまったくない」と指摘した。
日本政府は7日、韓国を「グループA(旧ホワイト国)」から「グループB」に格下げする政令を公布した。日本は高いレベルの輸出管理体制を備えていると認めた国を「グループA」に指定している。韓国を除くと米国やドイツなど26カ国が対象だ。
日本政府は食品・木材以外のほぼ全ての輸出品目を対象とする「キャッチオール規制」を設けているが、グループAの対象国は同規制が適用されないという優遇措置がある。政令が施行される28日に韓国がグループBになると、経済産業省が「安全保障上の問題がある」と疑う韓国向けの輸出案件について、個別審査を求める可能性がある。
日本政府は韓国をグループAから格下げする理由について、韓国側の輸出管理体制が脆弱だと指摘し、両国間の担当者による政策対話が長期にわたって開かれていないことなどを挙げている。