2019年9月16日(月)

謎多い米富豪の自殺 少女買春巡り起訴、大統領と親交

2019/8/12 6:28 (2019/8/13 4:51更新)
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【ワシントン=中村亮】少女買春をあっせんした罪で起訴された富豪ジェフリー・エプスタイン被告の拘置施設内での自殺を巡り、司法当局のずさんな監視体制が明らかになった。被告は過去にも自殺を試みたが当局は自殺の監視リストから削除し、30分ごとの見回りも実施しなかった。買春をあっせんされた政財界の大物のスキャンダル隠蔽のために殺害されたとの臆測まで浮上するなか、米連邦捜査局(FBI)が調査に乗り出した。

自殺したエプスタイン被告は政財界に幅広い人脈を持っていた=AP

自殺したエプスタイン被告は政財界に幅広い人脈を持っていた=AP

バー司法長官は12日、ルイジアナ州のイベントで事件に触れ、「拘置施設での不可解な点を調査している」と強調した。被告は7月上旬に14歳の少女を含む買春に関与したとして起訴された。無罪を主張したが保釈が認められず、8月10日午前にニューヨーク・マンハッタンの拘置施設で首をつった状態で発見された。

問題は自殺に至った経緯だ。複数の米メディアによると、被告は7月23日にも自殺を試みたが、その約1週間後に自殺の監視リストから削除された。マンハッタンの拘置施設はリストからの削除に伴い、エプスタイン被告を別の被告と2人部屋に収監し30分ごとの見回りもすると司法省に伝えた。だが実際には被告は1人で収監され、9日夜は見回りも実施されていなかった。

米国内では当局の対応を批判する声が相次いだ。野党・民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員は事件に関して「多くの点で回答が必要だ」と指摘。不可解な点を問いただす考えを表明した。共和党のリック・スコット上院議員も「被害者は被告を裁きにかける機会を逸した」として当局の対応を強く非難した。

非難の声があがるのは被告が政財界に幅広い人脈を持ち、買春をあっせんした疑惑があるからだ。トランプ大統領のほか、クリントン元大統領や英国のアンドルー王子、イスラエルの元首相などと交友関係があった。

クレア・マカスキル元上院議員は事件に関して「非常にきな臭い。監視リストに置かれたことのある人物が邪魔されることなく刑務所でどうやって首をつれるのか。不可能なはずだ」と主張。他殺の可能性などがあるとの見方を示唆した。

トランプ氏も被告と長年の付き合いがある。過去に米雑誌のインタビューで、被告について「私と同様に美しい女性が好きで、若いほうが好みのようだ」と語った。トランプ氏が少女のあっせんを受けた事実は見つかっていないが親密な関係にあったことは確かだ。

一方でトランプ氏は被告の自殺にクリントン元大統領が関係しているとの保守系コメディアンの見方をツイッター上で引用した。このコメディアンは根拠を示しておらず、民主党内からはトランプ氏に対して反発が広がっている。

米メディアによると、買春の被害者は被告に関する追及を継続する構えだ。FBIによる自殺の事実関係をめぐる捜査に加えて、被告の買春あっせんや交友関係、カネをめぐる調査も継続する公算が大きい。

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