2019年9月19日(木)

象牙登録、7月の厳格化前に急増 国際非難高まる恐れ

2019/8/10 18:54
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取得経緯を偽った不正登録事件で押収された象牙(2018年10月、仙台中央署)=共同

取得経緯を偽った不正登録事件で押収された象牙(2018年10月、仙台中央署)=共同

国内で7月に始まった象牙登録制度の厳格化前に登録量が急増していたことが10日、環境省への取材で分かった。近年の登録はほぼ10トン台だったが、2018年は約30トンに拡大し19年は半年で約10トンに上った。従来の制度は合法的に入手したことを証明する要件が緩く、厳格化前に大量の駆け込み登録がなされた形。新制度での登録は7月末現在ゼロだ。環境団体は「違法取引や出所不明の象牙が紛れ込んだ恐れがある」と指摘する。

今月17~28日にはジュネーブでワシントン条約締約国会議が開かれる。日本の象牙市場がアフリカゾウの密猟を誘発しているとの批判は根強く、日本の国内市場の閉鎖を求める決議案が提出されており、行方が焦点になる。緩い制度の下での大量登録に疑問や批判が相次ぐことも予想される。

象牙はアフリカゾウの密猟深刻化を受けて、同条約に基づき1990年に国際取引が禁止された。日本国内では、全体の形を保った象牙は禁止前の取得を証明する書類を示して国に登録しないと売買できなくなった。

しかし書類は家族が取得の経緯や時期を記し、合法的に入手したと申告すれば済むなど要件が緩かった。

このため、違法に入手した象牙を「家族が昔から持っていた」などと偽って登録し摘発される事件が起きていた。また摘発をすり抜けた密輸品などでも登録できる問題点も指摘されていた。

環境省は登録厳格化で、象牙の年代を把握する放射性炭素年代測定を課す方針を決定。変更前に2年間、登録を促すキャンペーンを実施しており急増につながったとみられる。

一方、分割した象牙やはんこなどは引き続き、合法性を証明しなくても売買が許されている。

象牙取引に詳しいNPO法人トラ・ゾウ保護基金の坂元雅行事務局長は「厳格化前の登録で、密輸や違法取引された象牙が国のお墨付きで大量に流通する恐れが高い。市場閉鎖以外に根本的な解決策はなく、日本への風当たりは強い」と話す。〔共同〕

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