2019年9月19日(木)

デルタ航空、成田撤退 日米路線は羽田に集約

2019/8/10 14:26 (2019/8/11 1:47更新)
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米航空大手デルタ航空は9日、成田空港発着の路線から撤退し、2020年に羽田空港に日米路線を集約すると発表した。デルタは羽田で米航空会社として最大の日米7路線を持つことになる。米最大手のアメリカン航空やユナイテッド航空も羽田の発着枠を増やす予定だ。首都圏の空港はビジネス客を取り込む羽田と、格安航空会社(LCC)の拠点の成田との役割分担が進みそうだ。

デルタ航空は成田から撤退する=ロイター

デルタ航空は成田から撤退する=ロイター

「顧客の都心への迅速なアクセスを可能にする」。デルタの国際事業部門社長、スティーブ・シアー氏は声明文でこう強調した。主要な顧客であるビジネスマンの出張需要を取り込む考えだ。

同社は20年3月に、アトランタやシアトルなど米主要5都市を結ぶ成田路線を全て羽田に移す。9月に成田―シンガポール線、20年3月に成田―マニラ線を廃止し、成田発着便を完全になくす。

日米の政府は羽田の国際線発着枠を増やすため新しい飛行ルートを設けることで合意しており、20年の東京五輪・パラリンピック前の開設を予定している。国際線の発着回数は現状の年6万回(昼間時間帯)から9万9千回に増加し、1日当たりでは約50便増える見込みだ。このうち、およそ半数にあたる24便を日米路線に配分した。

長距離で単価が高い日米路線は米国の航空会社にとっても重要だ。米国には1日あたり12便の増加が割り当てられており、米航空各社が2月までにそれぞれ増便申請を米運輸局に提出していた。デルタは最大の5便を獲得したもようだ。

米ハワイアン航空も9日、米運輸局の最終承認を受け20年夏から羽田―ホノルル線を増便すると発表した。米メディアによると、アメリカンも羽田とダラス、ロサンゼルスの2路線の就航が認められた。ユナイテッドも羽田とマンハッタン近郊のニューアーク空港など4便の運航が承認されたという。

ユナイテッドが全日本空輸(ANA)、アメリカンが日本航空(JAL)と提携するのに対し、デルタはパートナーとなる航空会社が日本にない。一方でデルタは同じ航空連合スカイチームの大韓航空と共同事業を開始するなど協力関係を深めている。アジアにおける北米からの乗り継ぎ拠点を成田から韓国・仁川空港へシフトさせていた。

成田空港の戦略にも影響が出そうだ。成田国際空港会社の田村明比古社長は6月の会見で「羽田の国際線増枠が行われた際に予想される路線のシフトがある。例えば北米路線が羽田に移っていく。同じような価格であれば羽田が選ばれてしまう状況にある」と述べ危機感を強めていた。

ただ旅客数自体は好調に推移している。18年度の国際線外国人旅客数は前年比11.2%増の1773万人で過去最高だった。けん引するのがLCCだ。LCCの発着回数シェアは17年度に30.7%と15年度に比べ5.6ポイント上昇した。

20年5月には日本航空傘下で欧米路線の開設を目指すLCC「ジップエア・トーキョー」(千葉県成田市)が運航を始める。成田におけるLCCは便数、路線網ともに存在感を高めている。

デルタの成田撤退で、首都圏の空港はビジネス客を取り込む羽田、LCCの拠点としての成田というすみ分けが進む公算が大きい。

(ニューヨーク=高橋そら、井沢真志)

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