エネルギー消費8割減 YKKの富山・省エネ団地
YKKグループは9日、富山県黒部市で整備した全117戸の住宅団地「パッシブタウン」の省エネ性能評価を発表した。周辺の環境を活用することで冷暖房なしで過ごせる時間を増やし、北陸の一般的な集合住宅よりエネルギー消費量は最大8割以上減った。

パッシブタウンは設計の異なる3街区で構成され、冷たい地下水が通る配管を壁と床の内側にはわせたり、風の通りやすい窓の配置にしたりしている。YKKAPの高断熱窓も採用して保温性も高めてある。
性能評価は室温解析や空気の流れをコンピューター上で再現する数値流体計算(CFD)を用いて検証した。大学教授などでつくるパッシブタウン性能評価委員会は「窓をはじめとした高い熱性能を持つ建築外皮が快適な住環境とエネルギー性の両立の実現につながっている」と分析した。
居住者へのアンケート調査では「冷暖房をする機会がほどんどない」など、7割以上が住まいに満足と回答した。同委員会の倉渕隆・東京理科大学教授は「通風性能が高まると、同じ気温でも涼しく感じられるようになる」と指摘した。
今後は性能評価を踏まえて設計を改良した3街区を、新たに同エリアで整備する方針だ。