2019年9月20日(金)

日韓軍事情報協定、進展なく 米国防長官、韓国大統領と会談

北朝鮮
日韓対立
2019/8/9 18:23
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【ソウル=恩地洋介】韓国を訪れたエスパー米国防長官は9日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談した。北朝鮮がミサイル発射を続ける中、日米韓の協力が重要だとの認識で一致した。エスパー氏は韓国で破棄論が浮上する日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の継続を要請したが、進展はなかったもようだ。在韓米軍駐留経費の韓国側負担増が議題となった可能性もある。

 会談を前に握手するエスパー米国防長官(手前左)と韓国の鄭景斗国防相(同右)(9日、ソウル)=共同

会談を前に握手するエスパー米国防長官(手前左)と韓国の鄭景斗国防相(同右)(9日、ソウル)=共同

エスパー氏の訪韓は7月の就任後初めて。日本に続き韓国を訪れた最大の狙いは、揺らぎが指摘される米韓や日米韓の安保協力の管理だ。

エスパー氏が重視した議題の一つがGSOMIAだった。日韓歴訪前の6日には「日韓にこの問題を早く解決するよう求めるつもりだ」と記者団に語っていた。だが韓国大統領府関係者によると、9日の文氏との会談では同協定の延長問題について進展はなかった。

GSOMIAは相互に防衛秘密を共有する協定で、日韓両政府が2016年に署名した。8月24日までに一方の国が破棄を通告しない限り、1年間自動延長される。

韓国で浮上する破棄論の中心には、文政権を支える急進的な革新勢力がいる。政府内では弾道ミサイル発射など北朝鮮の軍事挑発に備える観点からも「維持すべきだ」との意見が主流だ。ただ、一部には米国を日韓対立への仲介に引き込むため外交上の議題にしようとする動きもある。

文氏との会談に先立つ鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相との会談では、日韓対立の余波が浮き彫りとなった。鄭国防相は会談冒頭から「日本は安全保障問題を提起して経済報復を発表した。安保協力に悪影響をもたらしている」と日本批判を展開した。

一方、米韓の軍事協力の継続は再確認した。米軍と韓国軍は5日から合同軍事演習を始めた。反発する北朝鮮は短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返すが、挑発には乗らず予定の20日まで演習を続ける方針を確認したとみられる。

聯合ニュースによると、エスパー氏は鄭氏にホルムズ海峡の航行の自由を確保する有志連合への参加を要請。鄭氏は「様々な選択肢を検討している」と答えた。韓国側はソマリア沖の海賊対処に従事する海軍駆逐艦を転進させる案を軸に検討している。

韓国側は在韓米軍の駐留経費など米国の相次ぐ負担増要求にも身構える。米韓は2月に19年の米軍の駐留経費について、韓国が18年比8%増の約1兆389億ウォン(約910億円)を負担することで合意した。

だが、これまで5年だった合意期間を1年に変更した影響が早くも出始めた。トランプ大統領は7日、ツイッターに「米国への支払いをさらに増やすための協議が始まった」と投稿し、韓国に圧力をかけていた。

周辺国は日米韓の足並みの乱れをうかがっている。7月23日にはロシアと中国の軍用機が島根県竹島(韓国名・独島)周辺の上空を飛行。北朝鮮は同25日以降、4度にわたり短距離弾道ミサイルなどを発射した。

朝鮮中央通信によると北朝鮮は8月29日に今年2回目の開催となる最高人民会議(国会に相当)を招集する。重要な政策や人事を決める可能性があるほか、米韓合同軍事演習後に先々の外交方針を明らかにする最初の場となるとの見方もある。

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