東邦亜鉛の20年3月期、一転最終赤字 亜鉛市況悪化で
東邦亜鉛は9日、2020年3月期の連結最終損益が15億円の赤字(前期は25億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想(30億円の黒字)から一転して2期連続の最終赤字となる。世界景気の減速懸念による亜鉛価格の下落で製錬事業で在庫評価損益が悪化する。主力鉱山での採掘トラブルによるコスト増なども収益を圧迫する。
売上高は従来予想から70億円引き下げ、前期比16%減の990億円を見込む。鉄鋼のさび止めなどに使う主力の亜鉛で、非鉄の最大消費国である中国の成長鈍化などを受けて販売価格が下落しているのが響く。
営業損益は8億円の赤字(前期は5億円の黒字)を見込む。従来予想から54億円悪化する。
豪エンデバー鉱山では高品質な鉱石の埋蔵量が想定を下回り、採掘にかかる単位あたりのコストが増加する。さらに従業員の解雇による費用も膨らむ。
同日発表した19年4~6月期の連結決算は、最終損益が29億円の赤字(前年同期は12億円の黒字)だった。