リニア問題、国交省が調整役に 静岡県・JRの協議に参加
リニア中央新幹線のトンネル工事を巡り静岡県とJR東海が対立している問題で、国土交通省が調整役に乗り出した。同省は9日、静岡県、JR東海と3者で、静岡工区の当面の進め方について合意したと発表。今後は県とJR東海との協議に参加し、必要に応じて調整するという。
3者で合意した「当面の進め方」の文書によると、リニアは「できる限り早期実現が望まれる」とする一方、「大井川の水資源の確保は静岡県にとって切実な問題」と指摘。そのうえで国交省は、県が水資源確保や環境保全について協議するために設置する専門部会に参加し「専門部会の検討を見守りつつ、状況に応じて検討の促進などに努める」とした。
国交省はまず20、21日に開くJR東海と県の有識者との会談に担当者が出席する見通しだ。
川勝平太知事は同日、「国に見守っていただくなか、科学的根拠に基づき、対話を円滑かつ迅速に進めていきたい」と表明。JR東海は「これまで同様、丁寧に対応していく。トンネル本体工事の早期着手につながることを期待している」とのコメントを発表した。