2019年8月23日(金)

ユーハイム、バウムクーヘンで欧州に再挑戦

小売り・外食
関西
2019/8/11 18:00
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洋菓子製造・販売のユーハイム(神戸市)は看板商品のバウムクーヘンを今秋からパリやロンドンで販売する。フランスの菓子会社に製造機を提供。洋菓子の本場である欧州へは16年ぶりの再挑戦だ。これを足がかりに創業者の母国ドイツでの再出店も目指す。

バウムクーヘンの製造設備も自社で開発する

バウムクーヘンの製造設備も自社で開発する

パリを代表する菓子職人で、東京・銀座にも店舗を構えるフィリップ・コンティチーニ氏と手を組む。同氏が設立した会社、コンティチーニ(パリ)に2018年、ユーハイムが10%程度を出資した。

同社の技術を評価するコンティチーニ氏から「バウムクーヘンを焼きたい」との提案があり、提携につながった。ユーハイムも欧州での展開を狙っていたことから共同で事業を進める。まず、10月に開かれる世界最大級の菓子の祭典「サロン・デュ・ショコラ・パリ」に出展する。コンティチーニ氏が、新たなバウムクーヘンをデザインする。

河本英雄社長は「バウムクーヘンはドイツの地方菓子でフランス人には知られていない。著名な職人とのコラボによって、アピールできるのではないか」と期待する。会期中に数百個の販売を見込む。

ユーハイムにとって欧州挑戦は大きくいえば2度目となる。1976年、ドイツに1号店を出店。フランクフルトなどに4店出したが、業績が落ち込み99年に全店を閉めた。フランスでは菓子ブランド「ペルティエ」を94年に買収したが2003年に撤退した。

当時は売上高で約3割を占める看板商品バウムクーヘンを展開していなかった。今回は著名な菓子職人とのコラボでマーケティングの戦略を深めていく。

さらに門外不出の製造機器をコンティチーニ氏に提供する。同氏はパリに続いて10月にもロンドンに店を構え、双方でバウムクーヘンを売り出す。ユーハイムの機械を使う見込みだ。

ユーハイムは創業時から受け継ぐレシピに加え、焼成機にこだわりがある。「機械に合うレシピにするのではなく、レシピに合わせた機械が必要」(河本社長)との考えからだ。

バウムクーヘンは一般に回転する心棒に生地を何層も重ねて焼き上げる。焼き釜など機器の全ては自社チームで開発し、鋼材の購入から修理までを担う。内製化による製造体制と熟練職人の技を組み合わせ、伝統の味や品質を守ってきた。

河本社長は「まず欧州で人気を高めたい」と話す。現在、海外はシンガポールやベトナムなどアジア4カ国で事業を営んでいるが、海外の売上高比率は2%程度にとどまっている。

19年は創業者のカール・ユーハイムが日本で初めてバウムクーヘンを焼いて100周年。欧州など新市場開拓への新たな節目となる。

会社概要 1909年、ドイツ人のカール・ユーハイムが中国・青島で菓子店を創業。15年に捕虜として来日し、22年に日本1号店を開く。2019年3月期の売上高は306億円。11年にアジア初の店舗をシンガポールに開いた。

(神戸支社 沖永翔也)

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