最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 22,079.09 +34.64
日経平均先物(円)
大取,19/12月 ※
21,910 +40

[PR]

豊島逸夫の金のつぶやき

フォローする

マネー難民も拒むトランプ大統領

2019/8/9 9:21
保存
共有
印刷
その他

日本では円が安全通貨とされるが、ウォール街では、ドルが安全通貨との見方も多い。実際に、マネーは米国に還流している。ブレグジット(英国のEU離脱)やドイツの経済失速を懸念してユーロとポンドを見切るマネーや、米中貿易戦争リスクを懸念する大量のマネーが米国に逃避してくる。

その結果、米連邦準備理事会(FRB)の利下げでもドル高(除く対円)という「市況の法則」に反する現象も生じる。

トランプ大統領はおかんむりだ。マネー難民流入に対しても、「壁」を作りかねないような口調である。

しかし、8日には、風向きが一時的に変わった。

財政規律をかたくなに守るドイツが財政支出を増やすとの報道が外電で流れたのだ。欧州全体のスローガンともいえる「気候変動問題」を錦の御旗に「温暖化対策予算」を大幅に増やすとの消息筋の見方が市場で注目を集めた。グリーンボンド(環境債)を特別発行する計画とされる。

金融政策の限界が意識されるなかで、欧州、特にドイツには財政政策発動余地が残る。

この報道を受け、安全資産としての米国債購入の波にも足元では歯止めがかかった。米国債の利回り低下も一服した。ダウ平均も反発して終えた。

この報道の真偽は確認できないが、本当にドイツが「財政規律の呪縛」から解放されれば、マーケットの潮目が変わる可能性はある。

とはいえ、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁を名指しで、ユーロ安誘導が逃避マネーの米国流入を誘発してドル高になると非難するトランプ大統領の口調はますます荒くなっている。

「米国大統領としてドル高を望むと思われているかもしれないが、私は違う。FRBの高金利政策で、他国に比しドル高となり、偉大な米国の製造業が不平等な競争を強いられているのだ」と「ドル安宣言」をツイートした。

いずれ、サプライズ利下げで対応したインド、タイ、ニュージーランドにも非難の矛先がむかうかもしれない。2020年の大統領選挙演説では、中国たたきよりFRBたたきが強まりそうな様相だ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

豊島逸夫が語り尽くす 金 為替 世界経済

出版 : 日経BP社
価格 :1026円(税込み)

日経電子版マネー「豊島逸夫の金のつぶやき」でおなじみの筆者による日経マネームック最新刊です。

豊島逸夫の金のつぶやきをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップマーケットトップ