2019年8月23日(金)

穀物、最大23%値上げも IPCC2050年予測

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科学&新技術
2019/8/8 20:36
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地球温暖化に関する最新の研究をまとめる国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、スイス・ジュネーブでの総会で土地利用に関する特別報告書を発表した。2050年に穀物価格が最大23%上昇する恐れがあるとする試算を示した。極端な気象現象が発生する頻度が増え、食料の安定供給に影響が出ると指摘した。

特別報告書は人の活動と気候変動の関係に焦点を当てた。土地の利用状況や砂漠化、農林畜産業などの食料供給を中心に最新の知見をまとめた。

気候変動により世界的な食料の供給網の安定性が失われると指摘。いくつかの計算法で試算し、50年の穀物価格は中央値で7.6%、最大では23%上がる可能性があるとした。低所得者などが影響を受けやすいという。

気候変動による農業の収率低下などによって、食料の安定供給のリスクが高まるとした。砂漠化の進行を防ぐことが、土壌や森林資源に炭素を固定でき温暖化を防ぐとともに、食料の安定供給にもつながるという。

食品の生産から加工、調理、消費までの世界全体の食料供給システムは、人の活動が原因となるCO2排出量の21~37%を占めると推定した。国際的な食料供給体制が、大量の温暖化ガスの排出をもたらしていると指摘。排出削減に向けて、過剰な食生活を改めて食品ロスを防ぐことや、食生活の変化を促す政策の重要性を触れた。

執筆に携わった国立環境研究所の三枝信子センター長は「熱波や豪雨などの増加が食料の安定供給に影響を与えており、様々な対策を急ぐ必要があることを示している」と述べた。

気候変動は人の健康ばかりでなく、既存のインフラや生物多様性などにも影響を及ぼすことも示した。産業革命前からだと、陸の気温は地球全体に比べて約2倍上昇しており、土地の利用法を見直す必要に迫られているという。

IPCCの李会晟(イ・フェソン)議長は8日の閉幕式で「私たちが住む土地は(地球温暖化の)解決の一助にはなるが、すべてには対応できない」と述べた。

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